源三郎江戸日記(弟五部)29 それではお伝の方は隠密で、呉服屋の者達も仲間と言う事ですか、お伝の方が政に口ばしを入れたのは、治世不行き届きにさせて、宇都宮藩を改易に追い込む為だった


源三郎江戸日記(弟五部)29


それではお伝の方は隠密で、呉服屋の者達も仲間と言う事ですか、お伝の方が政に口ばしを入れたのは、治世不行き届きにさせて、宇都宮藩を改易に追い込む為だったが、岡本佐内が気、

がついて刺殺したのなら、藩の重役がからんでいたはずですね、それはその時の国家老だとして、その密名をおびて岡本佐内は実行した事になります、中田は知らなかったのでしょうか、

と言うので、


それは分からぬが、もし知っていたとすれば、自分が献上したのだ、隠密であった事を戸田殿に知られると、自分の首も危ないので、口封じに切腹を言い出したのかもしれぬ、いずれに、

しろ岡本に生きていられるとまずいので、ほとぼりが冷めたので刺客を送り込んだのか、はたしてお伝の方が隠密であった事を岡本は知っていたかじあな、単に藩政を壟断しているので、

手にかけたのかもしれぬ、


最近になって中田はそれを知り、当然岡本は知っていると思うたのじあろう、それで刺客を送り、口封じをしょうとしたのなら、話のつじつまが合うなと言ったのです、政とは中身は、

ドロドロしているのですねとエミが言うので、権力とは恐ろしい魔物なのじあよ、それに取り付かれると、自分に反対するものはどんな手を使うっても抹殺しょうとするから始末かが、

悪いのじあと言ったのです、


戸田様を籠絡するとはお伝の方はよほど床上手だったのですねと言うので、九の一は空蝉の術と言うのを修練しているそうじあ、この術にかかれば男は精力がなくなるまで情を交わす、

ようになるそうじあよと言うと、まるで花魁みたいですねと言うので、そうじあなと言うと、エミが私は殿に空蝉の術は使うていませんよと言うので、この術は好きな男には出来ぬ、

術じあそうじあと言うと、


そうですかと笑ったのです、才蔵が傍に来て呉服屋の使用人ですが主人共々6年前にこの城下に来て、最初は旅籠をやるという事で建屋を建て始めたそうですが、名主に呉服屋が少ない、

ので呉服屋をやったらどうかと勧められて呉服屋を開いたそうなんですと言うので、それでその後は直ぐに旅籠になったのか、それなら余り手は入れていないな、旅籠と言えば隠密宿に、

するつもりだったのだろう、


才蔵旅籠を調べてくれ、隠密宿なら何か仕掛けが残っているはずじあと言うと、飛猿と手分けして探してみますと傍を離れたのです、女中に元宇都宮藩士で、岡村佐内と言う者を知って、

いるものはいないかと聞くと、ああ、勘定方頭の岡本様ですね、ここにもたまに来ておられましたが、随分前に江戸に行きなさりましたよと言うので、どうも戻っているみたいなのじあ、

と言うと、


この2軒先の小料理屋の、女将さんは岡本様の、屋敷に奉公してなさりましたので、戻られれば顔をお出しになるはずですと言うので、そうかと言って、金を払い店を出て歩いていくと、

小料理小雪と書いてあります、中に入るといらっしゃいませと女将が言って、小上がりに案内したので酒と肴を頼んだのです、二階があるようなので、二階にも部屋があるのかと聞くと、

二部屋あります、


お座敷が良いですかと言うので、ここで良いと言うと、二人に酌をするので飲み干すと、江戸の方ですかと聞くので、よく、わかったなと聞くと、江戸弁をお使いになりますので直ぐに、

わかりましたというので、江戸に知り合いがいるのかと聞くと、ハイ、奉公していた、旦那様が江戸におられますので、二回ほど江戸に行った事があります、大きな町で愕いてしまいま、

したと言うので、


その人は岡本佐内と言うのじあろうというと、貴方様はと聞くので諸国巡察視村上源三郎と申す、二階にいるのじあろうというと、何の御用ですか、お召し取りに来られたのですかと怖、

い顔をするので、そうではない、話を聞きたいだけじあ、ここに、呼んで来てくれぬか、厭ならそのまま逃げるが良いと言うと、女将が慌てて二階に駆け上がったのです、暫くすると、

1人の浪人が降りてきて、


岡本佐内で御座るがと言うので、席を勧めると座ったので先ずは一献と言うと、女将が酌をしたので杯を傾けたのです、無外流の使い手とみたが、昨日国家老を襲ったのはおぬしじあな、

と言うと、いかにもと言うので、襲うた訳を聞かしてくれぬかと言うと、それを聞いてどうされるというので、警告したのじあろうが、聞かなかったらどうするのじあと言うと、しかた、

御座らぬ、


打ち果たすまでで御座ると言うので、それをやれば今度は藩から打ってがかかるぞ、きりがないではないか、娘子と安穏に暮らしたいなら訳を聞かせてくれ、悪いようにはいたさぬと言、

うと、藩の内情なればこれを話して、宇都宮藩へお咎めがあれば、藩士達に申し訳ないと言うので、わしは取り潰す為に、巡察しているのではない、悪いようにはしないので話してもら、

えぬかと言うと、


わかり申した逃げるつもりは毛頭御座らぬと言うと、5年前の経緯から話したのです、どうして最近になって刺客を送り込んだのじあと聞くと、それは分かりませぬ、知り合いの藩士に、

聞きもうしたが、殿は何もご存知ないそうで御座る、中田様の一存でなされていると聞きもうしたので、警告にこの地を訪れたので御座ると言うので、お伝の方が隠密だと知っておった、

のかと聞くと、


ハイ、それで刺殺したので御座ると言うので、それを目付けになぜ言わなかったのだと聞くと、そんな事殿が信じなさるわけがない、目付けにはなせば殿の耳に入り、それがしが殺され、

ていたでしょう、あの九の一に籠絡されていたので御座る、九の一を片付けるしか方法はなかったので御座る、誰にも話してはおりませぬと言うので、そなたの一存で実行したのじあな、

と聞くと、


ハイ、打ち首は覚悟の上で御座いましたが、命拾いをしまして江戸にでたのです、妻を娶り子供も出来て昔の事は忘れておりましたが、今年になって知らない浪人から果たし会いをのぞ、

まれましたが、断ったのです、応じぬなら妻と子の命を貰うと言いましたので、やむなく立ち会ったのです、討ち果たしたら、又現れたので、これは誰かが刺客を送っているのだと思い、

江戸藩邸の元同僚に頼んで調べてもらい、


中田殿が送っていると分かったのです、2人を討ち果たした後に、3人目の刺客は長屋に来て妻を殺害したのです、気づいた、長屋の者が後を付けて日本橋の長屋に入った事を教えてくれ、

たのです、待ち受けてなぜ妻を殺したか聞きましたら、果し合いをしょうと、尋ねたら小太刀で切りかかったの、でやむなく切り捨てたといったのです、その男も討ち果たしてこれ以上、

刺客を送らないように中田へ引導を渡そうと、


つけ狙っていたのですが、機会がなく今回国家老になって国元に戻るということで、江戸より後をつけてきたのですが、30人で国元に向ったので襲撃は諦めたのです、国元なら警戒はとく、

だろうと思い待っていたら、郎党2人で登城したので帰りを襲ったので御座る、無外流の峰うちで警告したので御座ると言うので、なんと言うていたのじあと聞くと、殺せと言っていたと、

言うので、


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