第二十三便 問わず語りに突っ込まないでっ!

 中庭に行くと、おっさん


「〝王様〟だよ、フッフ?」


 オレの問わず語りにまで突っ込んで来るって、お兄ちゃん……。

 ポッ(赤面)。


 もとい。

 中庭に行くと、王様とグリシーヌがすぐに出て来た。


『おはよう、荷車の騎士』

「おはようございます、王様」

『食事はすみましたか?』

「はい、姫様」

『オレはまだだけど。てか、そもそもオレのごはんなんてどこにもないけど』


『なっ?』

『えっ?』


 王様とグリシーヌが硬直する。そして二人の視線が、お兄ちゃんの胸に。


『そ、それは?』

 グリシーヌがお兄ちゃんに近づき、手を伸ばす。


 そう。

 お兄ちゃんは、オレといつも一緒にいられるように、スマホをネックホルダーで吊り下げられるようにしてくれた。

「フッフがいないと言葉がわからないしね」とか言ってたけど、後半部分は気にしない。


『これは、妖精ですか?』


 グリシーヌがなれなれしくオレの目と口と耳(≒ほぼ顔)に触る。

「それはスマートフォンというものです」


 お兄ちゃん。

 それ、俺に通訳しろったって無理だよ。

 多分この人たち、電話も見たことないだろうし。


『この小さな箱に妖精が?』

 グリシーヌがオレの顔を手に取って、反対向きにした。

『こんな薄い箱に?』

『妖精じゃないよ。オレだよ』

『フッフ?』

 グリシーヌが驚いた顔をして、スマホを放した。

 視界が滅茶苦茶に揺れる。

『フッフがここに閉じ込められてしまったのですか? 声が少し違うようですが』


『もともと声があるわけじゃないから』

 オレがグリシーヌを見上げ、オレ自身を指さす。

『あくまで本体はあっち』

『絵全体が動く? どうなっているのですか、荷車の騎士様』


 お兄ちゃん、画素がどうのとか言っても絶対わからないよ? てか、そんな言葉の訳語はないよ?』


「さあ、俺にもわかりません」


 オレの心配をよそに、お兄ちゃんがあっさり答えた。


「そもそも、フッフが話せてること自体、俺にはさっぱりわからないんで」


 正☆論!

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