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大学に入ったの。一浪したんだ」「そりゃまたどうして?」「ちょっとね」と笑う。前にこんな感じの会話を交わした気がする。そしてそれを、原稿用紙にも書いていると思う。「いろいろあったのよ」と、北条が笑いながら続ける。「いろいろ、ね」と僕。「私、隣の部屋に住むことになったから、その挨拶に、と思って。郵便受けの名前を見たら、見慣れない名字で、だけど私には見覚えのある名字だったから、もしかして、って思った。……鍵?ああ、確かに開いてたけれど、中から開けちゃった。なんか、私にはあの頃の力がまだ残ってるみたいなの」なんて危険な人間だろうと思った。「音淵」なんて姓が、いくら稀とはいえ。というか北条のその能力は、それこそ【ナレッジ】由来のものだろう、どうしてまだ残ってるんだ?「『バグ』ってやつじゃないの?」「バグね、そんなものは存在しないとか言ってたのに、欠陥残しまくりだな、あのシステム」バグは存在したのか。
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