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なんだか変な話だ。シャープペンシルの動きが止まり、文字で埋め尽くされた原稿用紙の上に、新しい原稿用紙が重なる。そして、その上にまた、シャープペンシルが文字を書いていく。「奇っ怪な話、でしょ」北条が馬鹿にするような口調で言った。「やめてくれ。いくら文章中に『奇っ怪』を多用したとはいえ、そんな揚げ足取りは」「四百字にするために、多少の表記揺れも辞さないって感じだね。特にこの『達』と『たち』とかさ」「よしてよ。あくまで僕しか読まないものにするつもりだったんだから、指摘されるのは想定してないんだ。恥ずかしい」そうやって彼女の指摘を避けながら、原稿用紙に尚も書き続けるシャープペンシルの動きを、目で追った。「北条さんは、読書が趣味なの?」「どうして?」「何となくそう思ったんだ。表記揺れとかいう言葉を口にしたくらいだから、そうなのかと」「そうだね」と考える。そして数秒間の末に「大好き」と、笑顔で答えた。

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