22
ところで、「北条沙雪」という彼女の名前を出しておきながら、僕自身の名前を出していなかった。一つ前の節にて僕の名字を呼ぶ彼女の台詞を書いたと思う。音淵燈環。これが僕の名前だ。ねぶちとうわ。名字が音淵。名が燈環。こう名付けたのが父なのか母なのかも、そもそもこの名前の意味すら未だに知らないでいる。今度訊いておかないといけない。そうは思ってから何年か経っている。個人的にはこの名前、結構気に入っている。さて、図らずも目にした君はどう読んだのか。やはり「おとふち」とか「おとぶち」と読んだだろうか。気にすることはない。まともに名字を呼ばれたことはないので、こういったことは慣れている。そうだ思い出した。確か僕の名前を、初見にも拘らず正しく読んだ人間が一人だけいた。それこそ彼女、北条沙雪だ。あの時に出会って、一緒に戦いを終えた後に、僕をフルネームで呼んだのだ。「ねぶちとうわ」君だよね?彼女はそう訊いてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます