肉食とランクと筋肉と



「よく来たな、コータだったか?俺は、サイデル支部のギルドマスターのゴートンだ。よろしくな」


タンクトップでやたらと筋肉を強調するおじさんは、ここのギルドマスターとのこと。

なんで呼ばれたんだろう?


「は、はい。僕はな何で呼ばれたんでしょうか?」


「それはな、お前の横にいるララから色々と話を聞いたからだ。アイテムボックスのことや倒したモンスターのことでな」


相変わらず気配無く、いつものニコニコ顔のララお姉ちゃんがいる。


「はぁ‥」


「あまり自分のことを理解してないようだな。まずアイテムボックスだ。時間停止付きのアイテムボックス持ちは希少なんだ。下手したら貴族に囲われるかもしれん。」


うっ、それはやだ。


「次にDランクの魔物を何十体も倒した件だが、普通なら新人では無理だ。しかし、異例もいる。お前もその一人なんだろう」


そんなに異例って言われるようなことをしたのかな。

でも、異例ってことは目立つかもしれない。

注目されるなんて死んでも嫌だ。


「そこで俺としては、とっととクラスを上げてもらいたい。」


「? あのーででも、早くクラスが上がると目立つんじゃ‥」


「だがな、もしアイテムボックスのことが広まれば間違いなく、たちの悪い貴族が絡んでくる。その前にクラスを上げておけば貴族も迂闊には手を出せなくなる。」


目立ってでも自分の立場を強化しろってことか。


「お前は一人でDランクを何十体も相手出来る実力があるんだ。すぐに上位のクラスに行けるだろう。力を示せば余程の馬鹿以外は下手な事はしなくなる。」


将来的に考えれば、今は耐えてクラス上げに専念した方がいいかもしれない。


「わ、分かりました。今後のために上げていこうと思います。」


「うむ、とりあえず 今のFクラスからEクラスに上げておく。それから、ララの志願もあったが効率化を図るため、ララをお前の専属受付に任命した。まぁ、上手くやってくれるだろう。」


「コータくん、私に任せて全て身を委ねてください。コータくんのおはようからおやすみまで全力でサポートしますからね。そして、ゆくゆくは‥‥ぐひひ」


鼻息荒くクネクネと身をよじらせている。

頼りになるはずだけど、とても身の危険を感じる。


「ララお姉ちゃん、よ、よろしくお願いします」


誠意込めて顔を見上げて伝える。

ララお姉ちゃん、鼻血とよだれが‥。


「よ、よし俺からは以上だ。ララ、カードのクラスアップをしてやれ」


「はい、かしこまりました。コータくん、カードをお借りしますね。受付で待っていてください。」


僕は精神耐性もそろそろ限界が近いのでそそくさと受付にいく。


少しすると、もう顔には鼻血やよだれの跡がないララお姉ちゃんがきた。


カードを受け取ると、今後について一夜かけてお話しましょうと擦り寄ってくるララお姉ちゃんをなんとか断り、宿屋に逃げ込んだ。



夢の中でひたすらよだれを撒き散らすララお姉ちゃんに追いかけられました。


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