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「雫ちゃん!おはよ~」
病室に入ると
「おはよう、雫ちゃん」
同室の二人の患者さんも、私に声を掛けた。二人共、白髪混じりで六十歳を過ぎた男性だ。
「おはようございます!」
私はみんなにいつものように笑顔で挨拶をする。
中居保はベッドを仕切る白いカーテンを閉めたままだ。
顔を見るのも嫌な奴。
そう思ったけど、みんなの手前仕方がない。
昨夜何もなかったように平静を装い、一気に窓のカーテンを開けた。せめてもの仕返しだ。
「うわっ、眩しいじゃん!」
朝日が一気に差し込み、ベッドにいた彼が左手で目を隠した。
「中居さん、おはようございます。昨夜はよく眠れましたか?」
私は彼の目を見ないように、わざと明るく挨拶をする。
「なぁ~、こっち見ないの?」
仕方なく彼に視線を向けた。一瞬目が合ってしまった。
朝陽を浴び、明るい場所で見る彼は、昨夜の彼とイメージが違って見え、不覚にもドキッとしてしまった。
二重の大きな目、スッと伸びた鼻筋、ふっくらとした唇。その整った顔立ちに、一瞬見とれた。
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