第57話 迷子の女の子


 迷子の手を引いて歩いていると、母親らしき女性が走ってきた。

 女の子の前にしゃがみ、「どこに行ってたのよもう!」と怒りながら肩を揺する。

「あの、お母さんですか?」

 確認をとると、すぐにそうだとうなずき、立ち上がって頭を何度も下げてきた。

 俺は、親が無事に見つかったことをよろこび、そして女の子を母親に引き渡した。

 帰宅後、夕飯のカップ麺をすすっていたら、テレビのキャスターがニュースを報じた。

 どうやら三才の女の子が行方不明になっているという。しかも場所がこのあたりの地域なのだそうだ。

 画面に、女の子の写真が映った。俺は写真を見た瞬間、口から麺を噴き出した。

 だが数日後、犯人は見つかり逮捕された。女の子は無事だった。

 夕飯時の臨時ニュースで、その時も俺はカップ麺をすすっていた。

 画面に、犯人の写真が映った。俺はふたたび麺を噴き出した。

 

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