第34話 ケンカ
僕が気付いた時には、もうシンヤは不良3人の前に立っていた。
「あ、なんだこのガキ? お前ら知ってるか?」
「いや、知らねえな」
突然の乱入者であるシンヤに驚いたのか、不良の三人は互いにシンヤのことを確認する。
「お前、まさか俺たちのカツアゲの邪魔しようってんじゃねえだろうな?」
不良たちはシンヤが身内でないことが分かると、途端に好戦的な口調で問いただした。
「そのまさかだよ。先輩方。ここら辺でやめるんなら俺も手出さねえからよ」
「なめてんじゃねえぞ! このガキ!」
不良の一人がシンヤの頬を殴った。角に隠れながら様子を見ている僕からはよく見えないが、どうやらシンヤは口の中を切ったようだ。口元を袖で拭きながら不良たちに吐き捨てた。
「アンタらが先に手を出したんだからな? 覚悟しろよ」
今度はシンヤが不良の一人に一発拳を入れた。その一発を合図に不良3人とシンヤのケンカが始まった。よく見ると、不良たちの拳は全くシンヤに当たっていない。シンヤは避け続けているのだ。隙を探しているかのように、狙いを定めているかのように、シンヤは全く手を出さない。不良たちはこれでもかと殴りかかるが、ただの一発も当たらない。
「クソが! ちょこまか動きやがって!」
傍から見ると不良少年でしかないシンヤと不良たちがケンカしている様はならず者同士の争いにしか見えなかった。それにしても……シンヤは格闘技かなんかをやってたんだろうか、一回りは大きい高校生3人を相手にしているのに、互角……いや、有利にケンカを進めているように見えた。
「うりゃあ!!」
シンヤが雄叫びを上げながら蹴りを一発入れる!
「ウガッ!?」
シンヤの蹴りを受けた不良がうめき声を上げながらぶっ飛ぶ。気絶したのだろうか、全く動かない。
「この野郎!」
仲間の一人がやられて激昂したのか、続けざまに不良二人が大ぶりな構えでシンヤに殴りかかる。だが、シンヤは待ってましたと言わんばかりに拳をかわしながら一人に蹴りを、もう一人に拳を叩きつけて悶絶させた。
「参ったか? 先輩方よ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます