第33話 カツアゲを目撃
路地裏は太陽の光が届いていないのか、かなり薄暗い。空を見上げると、綺麗な青空が見える。路地裏の暗さと空の綺麗な青、そのギャップのせいで余計に気味の悪さに拍車がかかる。
少し進むと道幅が大きくなった。それに伴って薄暗さも少し解消された。
「なんか声が聞こえるな……」
シンヤが何かの声に気づいたようだ。僕も耳を澄ませる……すると確かに声が聞こえる。不快で、それでいて怖くなるような、暴力的なものを連想させる男の声が……かすかに聞こえてくる。
「嫌な予感しかしないんだけど……」
「あの角の向こう側から聞こえるな……」
シンヤはそう言うと、角の向こう側を確認しに歩き出した。僕は気乗りしなかったが、シンヤについて行った。正直、何が起こっているのか見てみたいという興味も少しあった。だが、そんな興味を持つんじゃなかったとすぐ後悔した。
角の向こうには高校生と思われる制服を着た不良が3人と脅されていると思われるこれまた高校生くらいのいかにも貧弱そうな少年が1人いた。僕も大概に貧弱なので人のことは言えないが……。というかなんで不良少年はゴールデンウイークなのに制服を来てるんだろうか。
「カツアゲされてるのかな?」
「さあな、ただ見てて気持ちいいもんじゃねえな……」
僕の体は少し震えていた。脅されている人には悪いが、今すぐにでも逃げ出したい気分だった。それにしても、このご時世にカツアゲしてるなんて……都市伝説レベルの古風な不良だ。
「良いから、金出せっつてんだろ!?」
「だ、だから、さ、さっき渡したので、ぜ、全部何だよ……こ、これ以上は無理です……」
今にも泣き出しそうな顔で、脅されている少年は一生懸命言葉を口にしている。
「んなことはもう何回も聞いてんだよ。だからさっきから言ってんだろ、電話番号と住所を教えろってな。お前の家に取りに行ってやるからよ。家には親の金あんだろ?」
何てひどい連中だ……。心の底から怒りの感情が湧き上がる。だが、その怒りが恐怖を越えることはなかった。僕は目を強く閉じて現実を見ないようにした。それしか恐怖に耐える方法がなかった。(シンヤ、逃げよう、僕らじゃどうしようもない、助けを呼びに行こう)、そうシンヤに伝えようと目を開けた時、そこにシンヤの姿はなかった。
「おい、アンタら、全く面白くねえこと見せてくれたな? 久しぶりに頭に来ちまったぜ!」
「シ、シンヤ!?」
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