いるところにはいるのです、こんな子たちが。

ぐふふ、と笑ってしまう学園青春物語です。

このお話、ところどころに先生や保護者の「お言葉」が挿入されます。そのひとつ、第十六話と第十七話のあいだにある「保護者のお言葉」、これが至言なのです。もう全文引用させてください。

＊　　＊　　＊　　ココカラ引用　　＊　　＊　　＊

高校生男子はね。
常に疲れさせておかないと、ロクなことしないから！

運動部に入れて、学校ではめいっぱい体育をさせてもらって。
とにかく、疲れさせておかないといけないの
ロクなことしないから！

＊　　＊　　＊　　ココマデ引用　　＊　　＊　　＊


県立黒鷲工業高等学校――ひっくり返してひねってジャンプするとモデルになった工業高校に迫れるかも――、通称クロコウに通う高校生たちは、目を見張るような個性派ぞろい。そして目尻を下げてにやにやしてしまうくらい、良い子ぞろいです。

実際、工業高校に通う子たちって、普通科高校の子たちとは違った意味で真面目で純情で大人だったりするのです。

そんな子たちを、かつお節よりもスルメよりも味のあるキャラクター造形で定評のある武州青蘭さまが描き切っているのです。面白くないはずありません。

工業高校って荒っぽくって頭悪そうでなんかイメージ悪くなーい？　なんて思っていませんか？　そう思っている方にこそ、のぞいてみてもらいたいです。目からうろこの落ちる未知の世界がありますよ。

え、男ばっかりで恋愛要素ゼロなんでしょって？　あるんですね、これが。武州青蘭さまの作品ですもの、これまた極上のが織り込まれております。