第43話
ケイトは僕に助けを求めた。色々考えなければならないこともある。でも今はケイトを泣かす奴は許さない!その気持ち一つで僕はケイトを助けに行く…
「ちょっ?!フウヅキ!!移動魔法が安定しなっいぃ」
ケイトが今居るのはどうやら時間と時間の狭間らしい…
「ボクにそれ言われてもっジェットコースターとか苦手なんだけど!?」
彼はそう叫びながらボクの僕の腰に抱きついてきた。
「ちょっ!!フウヅキ変なところさわんな!?」
僕はそう言いながら彼を少し蹴り飛ばそうとした。
その瞬間…
思いのほかクリーンヒットしてしまった…
「やばっフウヅキ?!」
僕はそう呟いた時だった…
「お兄ちゃん!」
ケイトの声だ…でも振り替えれなかった。
「ケイト」
変わりにフウヅキがケイトの名前を呼んだ。
横を見ると英国紳士的な男が倒れていた…ケイトの震える声…こいつがケイトを…一気に怒りが燃え上がった。その瞬間意識が朦朧とした。
「アキヒト…ケイトを外に連れて出てくれる?」
その言葉が自然と口から漏れた。
「待って!お兄ちゃん…お兄ちゃん!!」
ケイトが呼んでる…今すぐにでもケイトを抱き締めたかった…でも…少しだけ振り向いてケイトの顔を見た…ケイトの表情が固まった…やっぱりこのままじゃ駄目なんだ…僕はすぐに目をそらした…ドアが閉まった音がした。勝手に溜息がこぼれた。
その瞬間だった。頭の上から水が降ってきた。
「アハハ。それやっぱりメイクなんだ!!」
先ほどの紳士が傘を片手に立っていた。
僕はポケットからハンカチを取り出して顔を拭いた。
「いきなり御挨拶ですね…」
僕はハンカチの汚れから完全にメイクがとれたなと思いながらそう言った。
「いきなり蹴りをいれた君が言う?あっちなみに髪の色も元に戻ってるから」
紳士はそう言うと鏡を手渡してくれた。
「すみません…あれは事故でして」
僕は少しだけ確認して鏡を返した。
「コーヒー飲める?妹さんは無理だったみたいだけど」
紳士はそう言いながら机とコーヒーを出した。
「頂きます。妹は紅茶派ですから」
僕はそう言いながらそのコーヒーを貰った。
「妹のお世話をして下ったみたいで…」
僕がそう言うと紳士はいえいえと笑った。
お互いに言葉を交わすことなくコーヒーを飲んだ…
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