第20話

義兄は私につくずく甘いと思うことがある…


「ん~体が妙に重たい…」

その日、私は妙な体がダルく布団から出られなかった。

「ケイト~学校遅刻しちゃうよ~」

ノックの音と共に兄の声が聞こえた。

「うん…わかってる…今起きる…」

私は重い体を起こしながらそう言った。私は時々突然に体がダルくなるのだ…

「ケイト、部屋入っても大丈夫かな?」

兄の心配そうな声が聞こえた。

私は少ししまったなっと思った。

「いっ今、ちょっと、駄目。着替えてる」

私は慌ててそう言った。のに…

“ガチャリ”

扉が開いた…

「ちょっと!?お兄ちゃん!!」

私は焦りながらそう言った。しかし、兄は無言で近付いてきた。

兄は昔から心配になると周りの事は全て無視する傾向がある。私の事に関してだけ…

兄はそのまま無言で私の隣に座っておでこに手を当てると

「熱はない」

と呟くように言って今度は服の中に手を突っ込んで臓器を確かめる様にお腹を押さえてきた。

「お兄ちゃん!何時ものだから!!」

私はそう叫んで、服の上から兄の手を押さえた。

「こら、動くな」

兄は静かにそう言うと開いている方の手で私の手をどかした。

私は少し溜め息を吐きながら兄の気が済むのを待った。

しばらくすると兄は私から手を離して立ち上がった。

「ケイト!今日は学校休みなさい!連絡しとくから。それから動き回らない!!これ命令!」

兄は私をビシッと指さすとそう言った。兄が命令と付けるときは何か考えがある時だ。

私は今日の学食にはたしかメロンゼリーが付くはずだったのにと思いながらも兄の指示に従った。

以前にも似たような事があり破る度に大変な目にあったからだ。

兄は素直に頷いたのを見るとにっこりと微笑んで私の頭を撫でた。

「いま、朝ご飯作るからここで待ってて」

そう言うと兄は部屋から出ていた。私は布団に入り直した。

朝食は軽く潰したバナナを牛乳で煮た何とも珍妙な料理だった。

兄はそれを食べるのを横で見ながら「僕も大学休もうかな~」と呟いた。

「昔みたいな事しないから行ってきてよ」

私がそう言うと兄は少し口を尖らせた。


「出来るだけ早く帰るからおとなしくしてるんだよ!」

兄はそう言いながら出掛けた。それと同時に私は深い眠りに落ちた。

目が覚めるとすでに夕方で兄が帰っている気配がした。枕元にはバラのメロンゼリーと3パックいりのメロンゼリーがあった。

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