第67話Regrets - 未練

67.



"It’s all over for me.もう駄目かもしれない1"



== 樋口瑛士 + 眞奈の母親(松本綾子) + 眞奈 ==




 眞奈が、これほどまでに拒否るなんて。


 もうこれで・・完全に・・詰んだんだと思う。

 どう言っても、何を言っても彼女の耳には・・心には・・届かないのだ。


 もう俺、駄目かもしれない・・公園にひとり取り残されていた俺は心の中で

このセリフを何度も何度もリフレインさせていた。


 そんな俺は気がつくと、自分の家のリビングで呆けていた。

 何か、もうこれで俺の人生そのものも詰んだような気がして抜け殻の

俺がそこにいた。



 ピンポーン♪ ピンボーン♪


 出たくない、今の俺には人と対面する気力なんかない。

 インターホンに出ないで放置していたら聞き覚えのある声が耳に

届いた。




 「瑛士さぁ~ん、いないの? 私よ・・わたし!」



 それは義母の声だった。

 急いで玄関に走る。


 ガチャリ。



 「ねぇ、今日どうだったの?」

 入って来るなり義母は俺にそう聞いてきた。


 眞奈はとつくに家に着いてるはずだから娘に聞いてくれよ、なんて

憎たらしいことを思った。



・・



 眞奈は私たちの意見も聞いた上で、やっぱり瑛士さんとの再婚は考えられ

そうもないので断るつもりだと言って出かけて行った。

 そしてあっという間に帰ってきた。


 だけど様子がおかしい。全然すっきりした様子をしておらず、将大の顔を

じっと見つめたまま落ち込んでる風なのだ。


 断って瑛士さんに何か言われたのか? それとも断ったことを後悔しているとか?



 「眞奈、どうだったの?やっぱりお断りしちゃった?」



 「瑛士さん、めちゃくちゃ瘦せててびっくりしたわ。私のせいなのかなぁ。

私のせいであんなにガリガリになられたら、どうしていいのかもうほんとっ」



 眞奈は寝ている将大の手に触れたり、頭に触れたりしながら

ずっと心ここにあらず状態で物思いに耽っている。



 そんな娘の様子を見ているうちに矢も楯もたまらなくなって

私は瑛士さんの家に向かった。 




 


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