第60話Regrets - 未練

60.



"Regret the my past. 過去を悔いる5"



== 眞奈の父親(松本浩志) + 藤原紀子(浩志の部下) ==




 「とにかく、もう遅いから送っていくよ」

 そう言って私は彼女を彼女の家の最寄り駅まで送っていったのだ。


  その日を境に彼女は私が残業で残っていると、必ず最後のひとりになるまで

帰ろうとはしなくなり、一度関わった手前、私は彼女を送っていくように

なった。


 彼女が住む家は私の家からはかなり離れていたので、最初送った時とは

違って、その後は途中の最寄り駅までとなったのだが、それがまたいけなかった。


 途中で降ろすというのが決まりになってしまい、負担もあまり無いため

送っていくことを止めずらくしてしまったのだ。


 何より、彼女が私と帰るのを待っている節さえ感じられ、私はどうすればいいのか

一度や二度ならそうも思わないが、頻繁に帰りを車で送るとなると

到底妻には言えない範疇になってきていることは、なんとなく自覚してもいた。




 もちろん、一度でも彼女がもう大丈夫ですからと断りを入れてきてくれたなら

それで帰りを共にすることは、すっぱり止めようと考えていた。



 だが、そんな日は来なかった。

 彼女に何も言い出せずお人好しよろしく、毎日のように送る私に彼女が

依存してくるのは早かった。



 ある日も帰りに送っていくことになったのだが、もう私たちは・・私は

駄目かもしれないと口走る彼女が降りる駅まで来ていたのになかなか降りようと

せず、慰めているうちに変な空気になり、気が付くと私はいつの間にか彼女に

口づけをしていた。





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