第58話Regrets - 未練
58.
"Regret the my past. 過去を悔いる3"
== 眞奈の父親(松本浩志) + 眞奈の母親(松本綾子) ==
当時目の前でどちらかを選べと言われたとしても・・
例え藤原が妻より若く美しくとも・・
私は愛しい妻を間違いなく選んだことだろう。
それ位には妻を愛していた。
それなのに、私は・・当時の私はあの状況下では仕方がなかったとはいえ
大きなしてはいけない過ちを犯していたのかもしれない。
それは一番混乱して悲しみに暮れる妻を家に置き去りにしたこと。
とにかく藤原を我が家から引き離したくて、妻から遠ざけたくて・・
彼女を送ったのだが。
あの時、私は一体どう動けばよかったというのだろう。
幾ら考えても、今もってどうすれば良かったのか、結論を出せないで
いる。
私が帰宅して妻の顔を見た時には、置き去りにされた時の悲し気な
表情は妻の顔からすっかりと消え去っていて、こちらが驚くほどだった。
「ちゃんと説明する時間を作るから。今夜のことは本当にすまない」
「あの女(ひと)とSEXしたの?」
「だから、そのことについてちゃんと説明させてくれないかな」
「説明はいい。したのかしてないのか、今ちゃんと答えて!」
「面目ないが、一度あった」
「私と別れてあの女(ひと)と一緒になりたいの?」
「そんなわけない。離婚は絶対しないよ」
「分かった・・じゃっ、おやすみなさい」
そう言うと妻は寝てしまった。
説明もさせてくれない勢いの質問だった。
その後、何度か説明しようと試みたが妻からその都度一蹴され続け
今日に至っている。
妻の心情を聞けぬまま時は過ぎ、その後の妻の私への対応というか
生活する中での態度は今までと変わらぬ態度で接してくれていたので
私はいつの間にか許された心持ちでいたのだっだ。
つまりあの事件はあれ以来、私たち夫婦の間では封印されてしまったと
いうか。
妻に敢えて今の気持ちを聞く勇気は私にはなく、熟年離婚も切り出さず
私と一緒に側にいてくれて身の回りの世話を焼いてくれて・・これだけでも
感謝しなければいけないとしみじみ思う今日この頃である。
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