第55話Regrets - 未練
55.
"My Feeling 胸の内5"
== 眞奈の父親(松本浩志) ==
妻も娘も孫の将大を私に託して買い物に出掛けた日曜の昼下がり。
将大が昼寝をしたので独りの時間を消化するべく小さなボリュームで
TVをつけた。
ちょうど不倫もののドラマがかかっていて、不倫されたけれど結局は
夫を許す形で元鞘に戻った妻。
その正妻が放った言葉が正に、自分たちの関係性にドンピシャなような
気がして、私の身に怖気(おぞけ)がはしった。
---
正妻の妹が聞く。
「お姉さん、本当にお義兄さんを許すの? 私義兄さんの顔見てると
何だか腹立たしくってぇ~。自分のしたことなんてどこ吹く風で、すっかり
姉さんに許されてこの先も平穏無事に"共に白髪の生えるまで"仲良く
いられるって信じ切ってるじゃない!」
「許したいけど・・世の中には許したくても、許そうと思ってもどんなに
そう頑張ってもできないことがあって、異性問題はその最たるものだと
思うわ。娘の為もあってここまできたっていうのもあるし、この年になって
もういろいろゴチャゴチャするのも煩わしいから騒がず大人しくしてるけど
あんなクズに私の愛情が戻ることはこの先一生無いわね。まぁ、せいぜい
(愛情のある)振りをして頑張るかなぁ~」
「だよねぇ~」(笑)
「だよぉ~。(苦笑) 奇跡的にこんなおばぁちゃんでももらってくれる
男性(ひと)が現れたらその時、旦那捨てるわ。あははっ」
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TVの中の女性の言葉が妻の気持ちと同じとは言えないが、私が妻からの
愛情を信じて疑わず与えられていると愛されていると、単純に信じていた
数日前までの自分ではいられなくなってしまった。
一生添い遂げると・・愛していると神様の前で誓いをた立てたのに
一瞬と言えどもパートナーを裏切った人間には、愛情を求めたり
受け取ろうとしたりする資格など無いのだ。
もしかすると、もう妻を愛したりする資格すら無いのかもしれない。
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