☆彡第53話Regrets - 未練

53.



 "My Feeling 胸の内3"



== 眞奈の母親(松本綾子) + 眞奈の父親(松本浩志) ==




 「私だってあなたの浮気だか本気だかの私の知らない顔を知った時には

絶対許さない、絶対別れるって思ったこともあったけれどもね。

 たけど娘の、眞奈の幸せそうな子供時代を見てきて実感するわ。

 

 あなたからの絶対心を一杯浴びて、たくさんの愛情に包まれて、あなたからの200%の愛がそれはそれは眞奈の人生を輝かせてくれたと思うの。私の父親は

悪い父親ではなかったけれど、私が受け取った愛情なんて眞奈があなたから

受けた愛情なんかとは、比べ物にならない位ちっぽけだった。


 眞奈が羨ましいわぁ~。私は人生でそんな溢れるほどの愛を誰からも

受けたことは無いもの。娘が・・娘の存在が眩しくてしかたない」



 私はこの時、別段夫に当てつけたくて自分の本心を語ったわけではなく

昔から胸に秘めていた悲しい程の眞奈に対する想いみたいなもの・・眞奈の

そのような愛情を受け取れる身の上を常々羨ましくも焦がれていたので

話してみたくなっただけなのだ。


 あなたのお陰で、あなたの一杯の愛で眞奈は愛され上手な娘に

育っているわ。瑛士さんは少し遊びが過ぎたと思うけど、一貫して眞奈を

愛しているし、蓮さんからも愛された娘。


あ~ぁ、なんて眩しいことまぶしいこと。眞奈はちっとも自分で気づいて

ないけどいつだってキラキラしてるわ。 私にはあのキラキラが見えるもの。




・・・



 妻の言葉に私の胸にズキンと小さな痛みが走る。

 初めて知った妻の胸の内、かもしれなかった。


 私の娘への気持ちが200%と言う妻。

 私からの妻への愛情は、果たして何%と思っているのか?


 そして私の与える愛情は妻よりも娘への方が大きいのか?

 今まで考えもしなかったことに直面したのだった。


 妻にそんなふうな考えを植え付けてしまった一因が自分にも

あるのかもしれないなんて、今のいままで想像もしてなかったことだ(-に)。


 娘のことで相談されたのにいつの間にか、遠い昔の私たちの傷跡の

話になっていった。今自分の目の前でやり直して良かったときっぱり

断言する妻を前にして、いつの間にか私の脳内は昔にタイムスリップ

していき、妻の話声を遠くに聞いていた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る