第33話Regrets - 未練
33.
"I want to get back together with you. 復縁したい4"
== 樋口瑛士 + 神崎 蓮 ==
今になって何ほざいてんだっ。
聞いてないよ、ってか聞こえないよ。
折角聞こえない振りをしてやっているのに男は更に音量を上げて
言い放った。
おい、クソ坊主神聖な寺でそんな破廉恥なこと、言っていいのかよ
全くう。近頃の坊さんはどうなってるんだよぉ。
そう毒づいてないとちっちゃい俺の心臓は爆発しそうだったんだ。
「おいっ、聞こえなかったのか・・俺と眞奈は、SEXする仲なんだよ」
あきれた坊主だ全く。
聞こえない振りをしてやってる上品な俺様に向かってなんちゅうことを
言うんだか。
知らない振りでことを収めて帰ってやろうとしてる人間に
向かって何たる態度なんじゃ。
こう大声で聞こえよがしに叫ばれたんじゃあ、踵を返すしかないじゃないか。
他の女に対してはどうでもいいから尊大な態度を取れる俺が、こと眞奈に
関しては信じられないくらい臆病風を吹かせるっていうのをまるで知ってでも
いるかのような男の態度。
俺はもう一度男の側まで歩いて行った。
「何言ってんだよ! あんた」
「質問にちゃんとお答えしただけですよ」
「眞奈とのことを、下品な物言いでするなよ」
「まぁまぁ、あなた下品ってどこが下品なんですか。
あなたのおっしゃってることは難癖のようなものですよ。
例えばね、子供は男と女、まぁ両親と言い換えてもいいですけど
その両方がSEXするから出来るのに、コウノトリが運んで来るのよ
っていう言い方でないといけないって言ってるようなものです。
男と女が好き会ったら当たり前にすることですよ。そして好きな
女性がいると普通は浮気なんてしないものですよ。そういう輩こそを
私は下品な人間だと思いますがね」
浮気・・浮気という言葉に、脛に傷持つ俺はびくついた。
目の前の男はどこまで俺たちのことを知っているんだろう。
迂闊なことをしゃべったら、藪蛇になるかもしれないことが
俺の口を重くした。
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