神罰
天罰 1
この年の冬頃の事です
長男と次男の上には取りまとめ役の頭が居るのですが
組の幹部で50代の男です
次男に覚醒剤をやらせたのもこの男です
名前は出せませんので「 I 」としますね
長男と次男は 「 I 」に いつも怒鳴られたり殴られたりしていました
しかし……長男がいない今……
次男が一人で 「 I 」の欲求不満のハケ口になっていました
用も無いのに夜中に呼び出される事もしばしば……
ある夜 「 I 」から呼び出されていた次男が朝方になり帰って来たかと思うと
いつに無く不機嫌な顔つきでそのまま部屋に入り翌日だるそうにフラフラしながら部屋から出て来た次男は居間のソファーに口もきかずに座っている
なんだか様子がおかしい
母が父を呼び話を聞くと
「なんでもない……」
と ひとこと言っただけで又
部屋に戻って行ったのです
父は次男の舎弟のキシを呼び
おとといの夜何があったかを聞きました
気の弱いキシは父に問いただされるとすぐに訳を話しはじめました
「 I 」に呼び出され
隣り町の組が最近ハバをきかしている……ウチのシマの店にもミカジメ料を請求している……などで
「見せしめに 相手の組の若い衆一人のタマ取ったれ!殺らんでもエエから一発腹にでもぶち込んでこいや!!」
と
「 I 」が本気で言ってるのか?
次男をからかって面白がっているのか?
わかりませんが
頭が言った事はすべてが正しい世界ですから 断る訳にはいかないのです
しかし……次男は躊躇していた
もともとは優しい性格でしたし
長男が居ない今……父もあまりお金を入れませんでしたので
我が家の生活費や私が学校に行ってた頃の授業料など……
ほとんど次男がやり繰りしてくれてたのです
と言っても 長男が居ても父同様お金なんてほとんど入れてくれませんでしたけど
そんな事もあり
次男は悩みぬいていたと思います
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