第18話 海岸
家族で海に行った。
行楽目的じゃない。厄落としみたいなものだ。
そこの海には神様がいて、いろんな嫌なものを引きはがしてくれるのだ。
苦痛、ストレス、悩み、人を憎んだり嫉妬してしまう黒い心、どうしても拭えない過去の苦しみも。その海岸へ行って海を拝めばいいのだ。
着いたときはちょうど陽が沈む前らしく、海は陽に赤く照らされ、波が銀とも金ともつかない色に輝いていた。潮の強い海風を浴びながら、心を重くしていた諸々が
海に持っていかれていく。つい、そこの住む海の神様に会釈する。
なにもない海岸にはおなじ目的の人たちがちらほらいて
ぶらぶらしたり犬の散歩をしたりしていた。スッキリした気持ちで海を見渡した。波の音が心地よかった。
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