第17話 遊ぼ

 はじめて入った図書館はひろくてきれいでしずかで、おもしろそうな本がたくさんあった。2階から吹き抜けを覗くと1階を一望できて開放感もある。人はだれもいない。


 のんびり本を物色していたら声をかけられた。

「ねえ」

 振り返ると、ちいさな男の子がいた。

「おねえさん、ひとりなの」

「まあね」

「ぼくもひとりなんだ」

「ふうん」

「だからつまらなくて」

「だろうねえ」

「おねえさんもそうでしょう」

「いやあ(笑)」

「ねえ、ひとりならいっしょに遊ぼうよ」

 子どもと遊ぶのは嫌いじゃない。

「まあいいけど、なにして遊ぶの?」

「入水。」

「えー。それはしたくないな。ちがう遊びは?」

「入水しよう、いっしょに。楽しいよ」

「また今度ね」

「一緒にあそぼうよお。入水しよー」

「無理だなあ」


 お断りしたところで目が覚めた。

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