陽炎の森86 小頭も帰って来て、藩の重役と繋がっている悪者は見つかりませんでしたと報告したのです、松島屋と繋がっているとすれば、船奉行配下だが、その村に行かなければ分
陽炎の森86
小頭も帰って来て、藩の重役と繋がっている悪者は見つかりませんでしたと報告したのです、松島屋と繋がっているとすれば、船奉行配下だが、その村に行かなければ分かりません、
あした皆でいってみましょうと清之進がいい、それでは酒の肴をみつくろって来ます、飲んでいっ時ほどまってくださいと台所へ向かったのです、
女将に寒天の材料である天草はないか聞くと、ありますというので、細かく刻んでいると粘着性が出てくるのでそれに味噌をくわえてかき混ぜ油紙につつんで、冷たい井戸水で冷やすと、
天草は粘度製が高いのですぐに固まるのです、固まったものを取り出し、一口の多きさに切るとできあがりです、女将がなんですかと聞くので寒天の味噌付けというところですかといい、
南九州のある場所に生息する天草は、
乾燥するとむかで、みたいになるのでむかでのりといわれている、その天草はそこでしか取れないのだよ、まさか寒天に味噌をいれ、味噌寒天を作る人はいないと思うが、酒のつまみ、
にぴったりなんだと一切渡すと、女将が食べ、みその塩おからさが丁度よく、食感はこんにゃくみたいで、酒の肴にぴったりですねと感心したのです、
皿にもり部屋に入り膳にのせると、漬物ですかときくので、むかでのりだよというと、メイがむかでのつけ物ですか、気持ち悪いというので、寒天の味噌付けだよというと、え~、そんな、
寒天初めて聞きましたというので、どうしてむかでのりというのですかと清之進が聞くので、女将に話した事をいうと、むかでといったのでだれも箸をつけないのです、真一朗が酒をのみ、
一切れ食べ、いい塩かげんだうまいというと、
伊織が本当ですかと一切れ食べて、ほんとうだうまい、なんだかこんにやくみたいですねと言うので、皆が箸をつけのです、清之進がほんとうですね、塩加減も丁度よく、どこで覚えた、
のですかと聞くので、わたしは日向の国の先程話した天草の取れる所が生国なのです、もう随分前に江戸にきましたがと話したのです、メイがそれでは私もそこに連れて行ってくださる、
のですねというので、
もちろん本場物の、むかでのり、カツオの塩辛がありますよ、もつとも酒は焼酎という原料は米ではなくイモなのでクセがあり最初は飲みにくいですが、慣れるとうまいもんですというと、
それは日向の飫肥藩ですかと清之進がいうので、ご存知なんですかというと、父上が江戸に登られたときに土産にもって帰った事があり、飫肥藩の伊東公からいただいたというていました、
のんでみましたが、女子のわたしには口にあいませんでした、
父上は最初は匂いがきっく飲みにくいがなれるとうまいもんだ、何と言っても二日酔いしないと笑っていたのを覚えていますと話したのです、真一朗殿の生国は珍しい者が取れるのですね、
と伊織がいったのです、
翌日は連れたつて一里はなれた漁村にいくと、海辺に茶屋があったので座り茶をたのみ、七輪が置いてあるので何か焼き魚はあるかと聞くと今息子が漁から帰ってくるで、なにか取れれば、
もってくるよといったので、待っていると沢山の船が漁から帰って来たのです、息子がおっかさん、今日も大漁だったよと籠にいれたアジとイカを置き、網元の家で仕分けをし、城下まで、
届けねばなんねえと言い、諭吉お嬢さんによろしくなと送りだしたのです、
おめえさん達は運がいいだよ、今アジとイカを焼いてやるだと、炭をおこしあじとイカを乗せたのです、諭吉さんというのか、いい息子さんだねというと、おとうが随分前に死んだので、
家を助けて一生懸命働いてくれるのでなんとか生きていけるだよと話したのです、松島屋に呼ばれているそうだけど、そちらにいけばいい給金が貰えると聞いたがというと、とんでもねえ、
お亡くなりになった島田屋の網元には、
昔から世話になってるだ、人は恩をわすれたら犬畜生いかだ、そげな事はしてはなんねえと諭吉にはいっているだと言い、諭吉の見つけた魚場も若松屋に知れれば、荒らされるだという、
ので、松島屋はどんな漁法をしているのだと聞くと、いい具合に焼けただ、さあ食べなされと焼けた魚を渡したので、皆で美味い、美味いと食べたのです、
それはすぐそこが網元の島田屋だ、諭吉に聞いておくれというので、島田屋に向うと、諭吉達漁師がが取れた魚を仕分けしていたのです、先ほどのお侍さんなんか御用ですかと聞くので、
お前のおろしている旅籠に逗留している者だ、今日も美味い魚が食せそうだなというと、そうでしたか、あの旅籠と古い付き合いでございます、いい漁場を見つけやしたから、暫くは、
大丈夫ですが、
そのうち松島屋に知れれば又不漁になりやすと言うので、どうしてだというと、夜明けに時の鐘がなり一斉に漁場に向かうのです、先に着いた船が取った場所から15間(30m)周りはそこの、
網元の許した船しか入る事は出きない決まりなのです、松島屋は8人で漕げる舟を5隻もっており、他の網元は4人で漕ぐ船しかもっていないので、必ず松島屋の船がいい漁場を確保して、
他の船は周りの場所でしか漁ができないのです、
今回はあっしがいい漁場をみつけましたが、すぐ知れるでしょう、競争したら負けるにきまっているのです、先代が生きていなさる時は、競争できる船は3隻と決められており、その他は、
自由に漁をしてもよかったのですが、お亡くなりになってからは全てが自由にすると船奉行からのお達しで、松島屋は金にものをいわして、多くの漕ぎ手と船を用意したのです、
それではあっしは魚を届けますのでというので、誰かに代わってもらいなさいと言うと、お侍さん何をするのでと聞くので、早く漁場に行く方法を教えてやるというと、へえ、分かりやした、
と家の中に皆をいれると、娘が二人出て来て島田屋の春と夏にございますと挨拶し奥へ案内したのです、魚は新吉さんに届けてもらいますと言ったので、諭吉この辺にはイルカはいるかと、
聞くと、いますよ、もつとも冬になると北の方に行ってしまいますが、
春には戻ってきますというので、そのイルカを使うのだよ、イルカは人なつこいからよく船に近づいて一緒に泳ぐだろう、ええ漁に出るとよくついてきますがというので、4人乗りの小さな、
船とイルカをキズつけないようにする帯をサラシでわしの言うとおり作るのだと紙に絵をかくと、お春が奥からサラシを持ってきて折り重ね作ったのです、さあ行くぞと皆で海に向かった、
のです、
真一朗と諭吉は小さな小船に乗り、清之進と3人は普通の船に乗り漕ぎ手をのせて海に出たのです、少し行くと諭吉の船にイルカが来たのでいわしのえさをやると喜んでいます、さあ諭吉、
海にはいり、この帯をイルカにつけるのだというと、諭吉が海に入りイルカにつけたのです、船の前に帯をくくりつけて、いわしを遠くになげるとイルカが凄い勢いでいわしめざして、
泳ぎだすと、二人の乗った船は引っ張られ猛スピードで走りだしたのです、
時速40kmは出ています、右や左に泳ぎまわるので、二人は船に捕まっているのが精一杯の状態です、帯を引くと走るのをやめ船に向かって来たのです、イルカには右と左に二本の帯が、
つけてあるので、右を軽く引くと、イルカが泳ぎだしスピードを上げるので右に行こうとすると左を引くと真っ直ぐ進みます、イルカが潜ろうとすると両方を引っ張ると、潜るのをやめ、
これを何回か繰り返しているうちに自由に操れるようになったのです、
これを他の船から見ていた清之進一向はあまりの速さで船が進むのでビックリしていたのです、諭吉は面白いですねと、すっかり気にいったみたいです、陸地に向かって操り、諭吉が浅瀬、
で海に入りイルカから帯を外し身体を調べましたがキズついていません、褒美にいわしをやり頭をなでると嬉しそうに尾っぽをふり、じあなと行って船を陸地に引き上げたのです、
網元の家へ戻り座敷に座ると、まるで手品師みたいとお春がいうので、イルカは魚ではないのです、子供を人間のように産んで育てます、冬に北へ行くのは子育ての為にエサの多い北へ、
行くのです、頭がいいので、馬よりも調教しやすい動物です、今日はご褒美を貰ったから明日も漁に出ると必ず諭吉の船によってきます、同じように帯をつけて魚場へ向かえば、
他の船より早くいけます、
魚場を確保し、後からくる船を漁場へ入れて漁をするのです、漁場についたらイルカをすぐにとき放せば、どうして早くついたか不思議におもうでしょう、船にのった後の二人が櫂を漕ぐ、
まねをすれば、二人が漕いでいように見えるのでわかりませんよ、他の小さな網元も漁場に入れてやればいいのです、イルカを使う事は法に触れるわけではありませんから問題ありません、
そうすれば魚の値段も安くなり、仙台の人は美味しい魚を食べられるようになりますというと、
お春がこれで沢山の人に魚を食べてもらえます、ありがとう御座いましたと、お春とお夏、諭吉が頭を下げ、旅籠には今日取れたタイを持つていかせました、ぞうぞ食べてください、
と諭吉がいい、それでは私達は旅籠にもどります、明日から頑張るのだよと島田屋を出たのです、
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