陽炎の森82 清之進一向が旅籠に戻ると、ゆうからのつなぎで、真一朗様はお結の方の拝領屋敷に詰めておられます、どうやらここが鉄砲の製造場所みたいですといい、真一朗様が玄
陽炎の森82
清之進一向が旅籠に戻ると、ゆうからのつなぎで、真一朗様はお結の方の拝領屋敷に詰めておられます、どうやらここが鉄砲の製造場所みたいですといい、真一朗様が玄白を脅かしたので、
砒素の混入は暫くやめるだろうと言っていましたと部屋を出ていったのです、女将がお湯が沸いています、その後夕餉にしますが、お二人さんはどうしますかと聞くので後でと答え、
風呂へ行ったのです、
伊織が風呂を上がって来ると、清之進達はもう上がっていました、伊織が真一朗殿はもう鉄砲の製造場所を見つけたみたいですね、後はどこの商人がからんでいるかはメイ殿の腕次第と、
いうわけですかというので、おそらくいなくなった鍛冶職人はその屋敷で鉄砲を作らされているのでしょう、ヘタに踏み込むわけには行きませんね、厄介な事ですと清之進が話し、
メイの知らせをまちましょうといったのです、
夕餉の膳が並んだので見ると山菜料理に、イワナの塩焼きです、さあ頂きましょうと箸をつけ、このイワナは美味しいですね、真一朗殿は気のどくですというと、そんな事はありませんよ、
もっと良い物を今頃食して、酒をのんでいますよと清之進がいうと、伊織がそうですよね、どこに行ってもうまいものを見つける人ですよねと笑ったのです、
その頃メイは芸者に化けて井筒屋の宴席に出ていたのです、そこには次席家老と配下のものがいたのです、舞を披露すると、次席家老が見事なものだなあ、井筒屋というので、さあこちら、
へ来て酌をしておくれというので、次席家老のそばに座り、酌をしたのです、名前は何と申すのだと聞くので白菊です、宜しゅうお頼みもうしますと頭を下げると、
江戸弁だなというので、深川芸者でございます、といっても、いまはあちこち渡りあるく流れ芸者ですと答えると、あのような踊りが出来るのに流れ芸者とは勿体無い、どうだわしの、
屋敷に奉公せぬかというので、芸者風情が武家屋敷の奉公が勤まるものですか、暫くはこちらにいますからごひいきにというと、ひいきにして使わすとまあ飲めへ盃を渡したので、
一気に飲み干すと、見事な飲みプリだな、
わしも江戸勤番のおりはよく深川に通ったものだ、なんといっても、深川芸者は気は強いが人情があると褒めたのです、宴もたけなわになったのですが、用心深いのか、肝心な話は何も、
しないのです、引っ掛けてみようと、仙台から会津に来たのですが、途中峠でクマに出会いました、足がすくんで立ち止まっていましたら、猟師が鉄砲を撃ち目の前で6尺はあろうかと、
いうクマがもんどうって倒れたのです、
猟師が怪我はなかったかと声を掛けてくれてやっと生きた心地がしましたよ、鉄砲て凄いですねというと、それは危なかったな、怪我しないでなによりだといい、他に鉄砲の音はしなかった、
のかと聞くのでいいえと答えると、そこの近くに滝があるはずだ、あの辺はクマやイノシシが沢山いるからなあと話したのです、次席家老がなぜ、そんな山の中を知っているのだろう、
きっと鉄砲に関係するのかもと思ったのです、
一人の武士が入って来て、ご家老あの者は若松屋に宿をとつたようです、今は何処かに出かけて留守のようですと伝えると、玄白に全ては片付けた、めかけの家への運び込みは今夜中にしろ、
と伝えよというと、承知しましたと部屋を出ていったのです、井筒屋今月の上がりはいかほどだと次席家老が聞くと、2000両はくだりませんと答え、儲かって笑いがとまらないだろう、
というと明日にはそれ相応の物はとどけますというと、
そうか跡目の事で幕閣への働きかけに金がいるのでなあというと、勝道様が跡目ときまれば、いよいよ主席家老ですなそのせつは、なにとぞ宜しくと井筒屋がいうと任せておけと笑った、
のです、なあ白菊屋敷奉公が無理なら、わしのそばめになれ、井筒屋がいい屋敷をさがしてくれよう、そなたはそこに住めばよい、贅沢三昧ができるぞというので、まだ会ったばかりで、
御座いますというと、
すぐ返事せいとはいうておらぬ、いい返事をまっておるぞ、それまでは通うとするかと次席家老がいうと、井筒屋がおまかせ下さい、ご家老様の仰せの通りにいたしますと言ったのです、
暫くしてちょっとお手水に行ってきますと部屋をでて聞いた話しを天井に潜んでいる小頭に伝えると承知と返事をしたのです、小頭は配下にメイの警護をまかせ、旅籠へ向かったのです、
旅籠に着き清之進の部屋へ行き、メイのいった事を伝え、仙台から会津に来る途中の大きな滝のある場所で鉄砲の試し打ちをやっているのかもしれません、そこに出来あがった鉄砲を、
保管している公算大です、鉄砲で儲けた金は幕閣への跡目相続の賂に使う積もりらしいと伝えたのです、
拝領屋敷では真一朗は稲葉と酒を飲んで話していたのです、稲葉に元は何処の家中だったのか聞くと美濃で御座るというので、それでは公方様の乳母である春日の局殿と関係があるのでは、
というと、親戚で御座るというので、なぜ浪人をしてるのか聞くと、本当の事を話し申す、新八殿は幕府に係わりのある御仁で御座ろうと話すので、分かっていれば仕方ない、それがしは、
諸国巡察方の村上真一朗で御座るというと、
驚きもせず、やっぱり真一朗殿で御座つたか、みどもをご存知かと聞くと、お会いするのは初めてでござるが、老中から貴方の事は聞いておりもうした、北の巡察に行かれたと聞いており、
ましたから、どこかでお会いするのではないかと思っていましたがというので、それではそなたは老中配下の隠密でござるかと聞くと、いかにもと答えるので、
浪人どもに聞かれ申す、もっと声を低くなされというと、心配ござらぬ、あの者達は拙者の配下でござるといったのです鉄砲の探索でござるかと聞くと、前々からこの屋敷の奥御殿のどこか、
で作っているのだと分かっていますが、くまなく周りを探索しているのだが、材料の持ち込み、搬出がないので分からないので御座るというので、しかしうまく自分の配下ばかり取り込め、
たもんだというと、
違うものはひそかに始末し申した、そして少しずついれ代えたのでござるといったのです、私の手の者が探索しています、そろそろ分かったはずだがと厠に向かったのです、天井から、
真一朗殿のいう通りと聞こえたので降りてこられよ、というと大丈夫なのですかと聞くので、大丈夫です、ここにいる浪人者は全て隠密ですよ、というと、そうですかと降りて来て、
覆面を外し黒装束をひっくり返すと普通の着流しになったのです、何処からみても若侍です、なる程便利な衣装ですなというと、忍びの衣装ですよと笑ったのです、部屋に連れて行き、
稲垣に合わせると、柳生のくの一ゆうにございますと挨拶すると、老中が配下、稲葉源信で御座ると挨拶したのです、調べた結果、奥御殿のそばに蔵があり、その地下室で作っています、
地下室なら音は聞こえません、
真一朗が鉄を溶かすには火が必要だ煙はどこからも上がっていないがというと、ここには地下道が掘ってありまして、この屋敷の裏手に銭湯があります、そこの煙突と繋げてあるのです、
さらにその地下道は隣にある回船問屋まで掘ってあります、船でもって来た材料をそこから運び込み、出来上がった鉄砲を回船問屋に地下道を通って運び込み、船でいずこかへ運んで、
いるのでしょう、
出来上がった鉄砲は試し打ちが必要です、音の消せる場所、大きな滝があるか、大きな洞窟かどちらかだと思います、又そこに出来上がったものを一時保管し、うり先に船で届ける、
のではないかと思いますと話したのです、稲葉がお見事で御座るさすが柳生の忍びですなあと感心しています、分かったのはいいがどうするかでござる、これが発覚すれば保科藩は、
改易になり、
23万石の家臣家族も入れて万人が糧を失いもうす、頭の痛いことで御座るというと、稲葉が今回の事は公になれば、松前藩、薩摩藩、尾張徳川藩も改易しなければならなくなる、
作った鉄砲を始末し、首謀者一党の処断だけにするとの事でごさいます、ゆうも公方様が老中とはかりいまのようにせよ、真一朗殿の策にまかせよというておられました、
え~、それがしは領民のくらしが良くなるようにするのが仕事で、大名の仕置きははいっていませんと言うと、ゆうが前にお望みだったゆうの裸をみせますゆえお願いしますというので、
見たら嫁に迎えねばならないのでしょうというと、いいえ嫁に迎えてくださらなくてもいいですと言ったのです、稲葉が何の話をしているのですか、この大事なときにというと、
真一朗殿は女に弱いのですよねと顔をゆうがのぞき込むと、
まったく、人使いの荒い公方様だと言ったので、5000石を断った報いですとゆうが笑ったのです、それでは策を考えますので、ここは稲葉殿にお任せして、私は一旦旅籠にもどります、
と拝領屋敷を出たのです、
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