校正作業の依頼を頼まれる
いつものようにWebライターとして依頼された記事を書いていると、1件の新しい依頼が舞い込んできました。
それはこれまでとは違っていて文章を書くお仕事ではありません。そうではなく校正作業の依頼です。
いわば、「他の人が書いた文章を正しく直して欲しい」というものでした。
報酬額もなかなか高く、興味もあった私は、さっそくお返事を書きました。
「はじめまして。いつもは文章を書く方で、人の書いた文章を直したことはないのですが大丈夫でしょうか?」といった内容のお返事です。
それに対する回答は「問題ありません。最初はこちらで指導させていただきますので」といったものでした。
そこで私は校正作業の依頼を受けることにしたのですが、これがなかなか大変です。
なにしろ自分で文章を書き始めてから間もないというのに、今度は人が書いた文章のチェックと手直しです。最初は慣れない作業に手間取ってしまいました。
けれども、慣れてしまえば楽なもの。むしろ、自分で文章を書くよりも簡単にできるようになってきました。それはそうです。自分で書く文字数は格段に減ったのですから。
人の文章を読んでいると、いろいろなことに気がつきます。
明らかに日本語として間違っていたり、句読点の数が多すぎたり、改行する場所がおかしかったり。もちろん、文章にはその人なりのクセというものがあって、それが個性にもなっています。
だから全てを直すのが正しいとは限りません。それでも、ある程度その会社なりの方針というものがあって、それには従わないといけなかったりします。
私がライターとして散々注意された「『~です。』とか『~ます。』が連続しないように」というのも、そのひとつです。
これが小説ならばよいのでしょうが、Web記事にはWeb記事なりの法則とかルールのようなものがあって、それに従わないと検索サイトの上位に表示されないようにできているいるらしいのです。
「なんだかバカバカしい話だな~」と思うかもしれません。私もそう思います。
でも、世の中にはそういう常識とか神話のようなものがあって、それを心の底から信じちゃっている人たちが大勢いるのです。
もしかしたら、その人たちの方が正しいのかもしれません。間違っているのかもしれません。それはわからないけれども、世の中の多くの人たちがそれを信じてお金を払ってでもそのルール通りに記事を書いて欲しいと願っていることだけは事実なのです。
そうして、それに従ってお金をもらいながら文章を書いている人たちはもっと大勢います。私もその内のひとりなのです。
そんな私自身、このお仕事に矛盾を感じています。
「ほんとにこれでいいのだろうか?何かが間違っているのではないだろうか?」と。
そうして、「もしかしたら、このお仕事は長く続けるべきではないのかもしれないな」とも思っています。
文章を書くという意味では小説と同じですが、やはり根本的に違っています。
きっといつか、私はこのお仕事をやめる日が来るでしょう。
あるいは、Webライターは続けるかもしれませんが、どこかの誰かに頼まれて他の人と同じような文章を書くことだけはやめるでしょう。
「このキーワードを何個入れてくれ」なんて指示に従いながら文章を書くことなんて、なおさらです。ほんとはそんなこと、まっぴらごめんなのですが、依頼されているので今は静かに従って生きていこうと思います。
ただ、いつか。
いつかきっと、私はもっと自由な世界へと羽ばたいて、自分の好きな文章を好きなだけ書いて暮らす日がやって来るでしょう。
それだけは、心の底に妙な革新がありました。
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