恋愛の記事なら、体験してなくても自然に書けるんです
あわただしい生活にも
世間はもう年の瀬。小中学生はとっくに冬休みに入っており、いつもの巨大ショッピングモールは家族連れでごったがえしています。平日のこの時間帯はガラガラのフードコートも、今日はほとんど満席。
「どう?新しい仕事の方は?だいぶ慣れた?」と、あの人が
「ええ。初めは大変でしたけど、Webライターってやってみると結構楽しいんです。すごく勉強になるし。きっと小説にも生かせると思います。やってみてよかったです」
私がそう答えると、あの人も笑顔になります。
「それはよかった。実はちょっと心配だったんだ。君にあんな風に
「それは、どうかまだわかりません。確かに、これまで書いてきた小説の形式とは全然違うんです。こまかいことをいろいろと指摘されて、面倒だなって思うことも多いし。でも、同時にそれが勉強にもなってることだけは確かです」
「フム。ま、一長一短ってとこか。理想としては、Webライターとして世間一般の人々が求めているような文章も書けるようになる。その上で、小説は小説で独自の表現を追い求める。そこまでできれば最高かな」
私も、あの人の意見にうなずきます。
「そうですね。そんな風に使い分けられるようになれば最高ですよね。でも、なかなか難しいかも。自分ではそれを目指してやっていますけど、実際できているかどうかは」
「まあ、そんなに難しく考えることはないさ。いろいろと影響を受けることは悪いことじゃない。どうしても無理そうなら、ライターの方はやめて小説に専念すればいい。そうすれば、すぐに勘を取り戻せるさ」
その言葉を聞いて私も安心します。
「そうですよね。いざとなればやめちゃえばいいんですものね。小説の方は書いていて楽しいけど、お仕事として依頼して書いている記事は大変だったりつらかったりすることも多くて。あ、でも、最近は書いてて楽しいのもあるんですよ」
「へ~、どんなの?」
「恋愛に関する記事とか。たとえば、『初めてのデートではどこへ行けばいい?』とか『キスは何回目のデートでするのが理想?』とかそんな感じの」
「それは君の体験談?」
「別に体験談ってわけじゃないんですけど、私そういうの書くのが得意みたいで。それがやってみて初めてわかったんです」
「じゃあ、想像力で書いてるの?」
「そうですね。ほとんどは想像で書いてるのかな?自分でもよくわからないんですけど、自然と書けちゃうんです。恋愛の記事なら」
「フム。それはいい傾向だね。きっと、小説でも同じことができるよ。恋愛小説、書いてみるといいんじゃない?」
「そうですね。そうします」
ひさしぶりのふたりきりの会話に、私の心は
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