~技術習得編~

「ミコトとレン」公開スタート!

 新作の長編小説を書いていたある日、あの人からこう言われました。

「そろそろ、その作品もインターネット上に公開してみたらどうかな?」

 それなりの量を書きめていたとはいえ、まだちょっと自信のなかった私は、こう答えます。

「まだ早くないですか?途中でストックがなくなっても困るし」

「大丈夫、大丈夫!『音吹おとぶき璃瑠りるの誕生』だって、ほとんどストックなしでやってるわけだし。それに、ある程度しめきりに追われながらやった方が執筆量も増えるかもしれないよ」

 不安はありながらも、あの人にそう言われて、私もその意見に賛同することにしました。

「そうですよね。しめきりに追われていれば、いい刺激になってますますやる気になるかもしれませんよね」

「そうそう。今の内からそういう経験を積んでおくのは悪いことじゃないよ。いずれお金をもらいながら書くようになったら、本物のしめきりがやってくるわけだから。そうなってからだとストレスも半端はんぱないだろうから」


 あの人の言葉に従って、書きかけの新作をインターネット上に公開することに決めたのはいいのですが、まだいくつか問題もありました。

 主人公たちの名字みょうじを決めていたかったり、こまかい設定の修正をしなければならなかったり。まあ、それらはすぐにやるとしても、一番大きな問題が残っていました。それはタイトルです。まだ長編小説の顔となる題名を決めていなかったのです。

「小説の題名、なんにすればいいと思います?」と私がたずねると、あの人は答えました。

「君の好きなものにすればいいんじゃない?」

「でも、迷ってるんですよね。何かインパクトがあっていい感じのタイトルにしたいんですけど」


 新作の長編小説は、こんな内容でした。

 その時代、日本では全然お仕事をしない人たちが社会問題となっていました。いわばニートとか無職と呼ばれる人たちです。そこで、日本政府が新しい法律を作ります。「3年以上働いていない者は、強制的に結婚させられ働かされる」という法律です。その法律に従って結婚した女性が、夫と共に奮闘しながら成長していくという物語。

 設定的にはSF的な要素を含みながら、全体的な雰囲気は現代劇として進んでいきます。かなり軽めの文章にはしていますが、ライトノベルというのともちょっと違うかもしれません。

 最初は内容のまんま『ある日突然ニートたちが結婚させられるお話』とか『私、結婚しちゃいました』にしようと思っていたのですが、ちょっと説明的すぎるかもしれません。


 結局、散々悩んだあげく、タイトルは『ミコトとレン』に決めました。

 主人公のミコトと、その夫であるレンから取りました。

「ちょっと単純過ぎるかな~?」と私が言うと、あの人は答えます。

「まあ、いいんじゃないの?わかりやすくて」

「そうですよね。内容は、あらすじを読んでもらえばいいし。このくらいわかりやすい方がいいですよね」

 というわけで、新作のタイトルは『ミコトとレン』とし、『音吹璃瑠の誕生』と共にインターネット上で連載を開始したのでした。

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