6ー6

得意げに胸を張るバンシーは、人差し指を立ててこう告げた。

「モルガナの店にあるお守りには全て使用した証が使用者に、そして使用された対象にも証が残るようになってイルのデス」

男は思案するように腕組みをする。

「つまり、新聞記者を殺した犯人を追跡できるものが付いているということだな」

「そういうことになります。ただお守りは店で売っているもので特注ではないため、大雑把な範囲までしかわかりません。追跡の結果、わかったのはこの地区にいると思われます」

バンシーが地図を広げ指し示した場所こそ、男とルニアがいる商業区だった。

中央に教会がそびえる教会区では物を売ることは禁じられている。

商業区はふたつあり、東と西に分かれている。

東の商業区はあの新聞記者が打ち上げられた川からも近い。確かに犯人が潜伏している可能性は高いだろう。

「お守りに付与された追跡効果は永続ではないため、明日には分からなくなってしまいます」

男は席から立ち上がると歩き出す。ルニアもそれに追随した。

バンシーだけが飲み込めずにいると、男は手を差し伸べた。

「師匠には前回の借りもある。それにバンシーの立っての頼みだ。捜そう」

「ハイ!」

バンシーは意気揚々と歩き出した。


一行の姿を注視する人影がひとつ。

「クフッ」

修道女は婉然と嗤い、言葉を漏らした。

「久々の馳走ですこと」

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