第20話

 入学式から一週間経ったある日。


俺は体力テストに参加していた。



 まず俺の身に事件が2つ起きていた。

 1つ目は藍の姉である瑠璃さんがこの学校の在校生であることを知った事だ。

 しかも生徒会に入っているそうだ。

 事件というよりは驚きのニュースか。

 生徒会と言ってもそれ程権力を有するわけではない。ただ、生徒会に加入すると毎月ポイントが他の生徒より多くもらえるそうだ。

 そのため非常に競争率は高いそうだがこの生徒会は指名制でそれぞれの役職の人が後継者を独断で決められるそうだ。

 瑠璃さんは副会長の役職に就いていて今年卒業なので後継者を決めなくてはいけないのだが、藍によると俺に副会長を就かせたいらしい。どういう意図か分からないが当然御断りだ。

 そして2つ目、骨折していた左腕が治った…。

 簡単に腕が治ったと言っても、もちろん自然治癒ではない。治るまで二、三ヶ月かかると言われてるし、事故からまだ一ヶ月も経っていない。

 これは日を遡る事、二日前。

 俺はこの学校に纏わるある噂を聞いた。

[この学校に超常現象が起きるらしい]という噂だ。詳細については知らないが何でも、超能力者がいるとか。

 話を聞いた時は誰かが中二病を拗らせたと思っていたがその日の放課後。

 校舎内を見学するため廊下をぶらぶらしていた時、前から女子生徒が歩いて来た。

 そしてすれ違いざま、俺の骨折している左腕を叩いた。折れている腕を叩かれたので当然痛みを感じたため、女子生徒に声をかけようとしたが振り返った時にはすでにいなかった。消えたことにも驚いたが次の瞬間、折れていた左腕から痛みがとれた。というよりも感覚的に治ったと分かった。骨折が一瞬で治った。

 誰もが馬鹿馬鹿しい話と思うかもしれないが事実だからしょうがない。

 治癒能力を持つ女。

 俺は寒気と同時に恐怖を覚えた。

 この世に超能力なんてあり得ない。幽霊やUMAの類を信じていないが、ただこの身をもって体感した。

 以上が俺の身に起きた事件。

 そして今日に至る。

 体力テストは、腕が完全に治っていないという嘘をつき適当に計測していた。

 俺の気分は太平洋よりもブルーでマリアナ海溝よりも深く沈んでいた。

 なぜなら今日瑠璃さんに生徒会室に呼ばれているからだ。一年が入学一週間で生徒会室に行くっておかしいだろ。そう反論しようとしたが真っ直ぐな目をされたので黙って従うしかなかった。

 まあ、こちらとしても聞きたいことがあったので好都合ちゃ好都合なんだが。

 俺は体力テストを適当に終わらせ、

 午後の授業もただひたすらぼーっと聞き流し

 放課後になるのを静かに待った。

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