第19話

ホームルームが終わり一人、昇降口へ向かった。シューズを履き変え外に出ると、部活動勧誘が行われていて、俺はシューティングゲームよろしく弾幕(ビラ配り)を被弾無しで躱していた。この学校は進学校にしては珍しく部活動に力を入れていて文武両道を目指しているとか。この学校は変な制度があり、学力や部活動の成績向上を促進するため定期テストや部活で好成績を修めるとポイントが

貰る。そのポイントで学校周辺の店の物を買ったり学校内でも校則に記載されてないものなら何でも買えるらしい。そのため学校の敷地はでかい。よ○実とかミカ○ラ学園みたいだ。

当然この学校は地元では人気で、この制度のおかげで生徒の質も上がりその結果、部活動も勉強も県内では五指に入る有名な高校になったそうだ。

俺がこの学校に入ったのは基本的に個人主義だからだ。民主主義を重んじる今の日本に置いて、かなり特殊だがそこが気に入った。

そしてこの学校は寮制で最初の一週間だけ自宅に帰り、その後はずっと寮で暮らす。

保護者は原則高校には入れない。特例として入学式と卒業式のみ許可されているとか。

ますますラノベっぽくて、男として憧れてしまう。まあそれが本当の理由なんだけどな。

解説も程々に俺は校門を出ようとした時、

一際大きな声が後ろから響いた。

「あ!一中のバスケ部の藍さんだよね⁈」

「ち、違います。人違いです!」

「嘘〜。試合見たことあるもん。

すごくうまかったよね! 良かったらバスケ部入んない?」

「…考えときます」

聞き覚えのある声がした。スポーツをする姿が思い浮かばないが、さっきの会話を聞く限りかなり上手いんだろう。

人は見かけによらないとはよく言ったものだ。少し気になり振り返ると今度は陸上部から声をかけられていた。

…凄えな、スポーツ万能かよ。

そして人が人を呼び、遠巻きから見てもかなりの数が藍の周りを囲んでいた。

少し心配そうに見てると人混みに困惑している藍と目が合った。その瞬間、人混みを掻き分けこちらに向かってくる。

そして猛ダッシュしている藍に自然と周りの人間の視線も向く。

息切れしながら俺のいた場所まで来た。

「ハァ、茜がいて良かった」

ほのかに上気した顔で上目遣いで言われた。

おい、やめろ。ドキッとするから。

「…おう」

なんて言えばいいか分からないので、雑な返答になってしまった。

俺のコミ力の低さが憎い!

そしてさっきまで取り巻いていた生徒はぞろぞろと解散し始めた。

「とりあえず帰るか」

俺は返答を聞かずに再び歩き始めた。

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