今度こそ
僕は春先に、彼女に告白した。でも断られた。その理由が、逢原さんは多重人格で、クールさんは主人格ではない、というものだった。
それを聞いて、僕もクロちゃんも仕方がないと思った。自分の身体じゃないのに、恋愛することはできない。
でも、今は違う。今の逢原さんは双子で、それぞれが別の身体を所有している。
つまり、逢原さんは気兼ねなく、恋愛ができるのだ。
「どしたの史郎っち、何か良いことでもあった?」
どうやら僕の考えは顔に出ていたらしい。僕は慌てて、頬を軽く叩き、普通の顔に直す。でもやっぱり、ニヤケ顔が止まらない。
「ゴメン二人とも、来て早々だけど用事ができた。それじゃ!」
僕は勢いよく扉を開けて、二人を残して部室を後にした。
廊下を走り、急いで教室に戻る。
そして筆箱とノートを取り出す。ノートの一ページを破り、その破った方に筆を走らせる。
『放課後、屋上に来てください』
僕はあの時と同じ内容の文を書いた。そして紙を四つ折りにして、教室を飛び出す。靴箱が置いてある昇降口へと向かった。
昼時だからか、昇降口にいる生徒は全くいなかった。なので誰にも見られず、行動を起こすことが可能だった。
でも、問題が発生した。
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