逢原さんも

 集合場所に、桜子と逢原さん達が待っていた。

 その光景を見て、僕は改めて、これが夢だと再認識した。


 集合場所は、何の変哲もない、ただの交差点だった。目印と思える物は何もない。

 何故、ここを集合場所になったのかは分からない。


 でも今はそんなことどうでもいい。


 交差点にいたのは、桜子と、逢原さん達。 僕は最初、食卓でクロちゃんが言った『逢原さん達』という言葉に、全く違和感を感じなかった。逢原さんも多重人格者、二つの人格を持っている。だからクロちゃんが『逢原さん達』と言った時に、僕は何も思わなかった。


 でも、『達』というのは、本当に複数形の意味だった。


 待ち合わせ場所には桜子と、二人の逢原さんがいた。


「おはよう! 史郎っち! クロやん!」

「……おはよう」

「お、おはようございます……」


 三人が僕達に、それぞれ特徴的な挨拶をしてきた。


 最初のは、言わずもがな桜子のもの。桜子に関しては、どうやら現実世界と同じようなので、特に言うことも無い。

 二番目は、逢原さん。僕が好きになった、クールビューティな逢原さんだ。

 最後の挨拶は、逢原さんと同じ顔をして女の子。彼女の声に聞き覚えがあった。以前話した、主人格の逢原さんの声だ。


 どうやら僕だけではなく、逢原さんも双子になってしまったらしい。


 二人になった逢原さんを見て、僕は一つ疑問に思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る