第5章 もうひとり
話し合い
とりあえず、僕達は廃ビルから一番近い、逢原さんの家で話し合うことになった。
彼女の家に招かれるのは、今回が初めてだ。こんな状況じゃなければ、僕のテンションは有頂天になっていただろう。
僕は自分が二重人格者であることを、僕が十年以上前から普通の人間ではなくなったこと、クロちゃんの存在、クロちゃんの運動能力が超人を超えていること、それらを隠していたこと、全てを二人に話した。
「史郎っちが二重人格者……」
「……」
桜子は驚いて開いた口が塞がらないでいた。無理もない。友達が多重人格だなんて、普通は驚くだろうな。しかも人格の入れ替えは自由で、別人格は超人的パワーを保持しているときたもんだ。ここまで来たら驚愕しない方がおかしい。
それに対して、逢原さんはいつもどおりクールに僕の話を聞いていた。反応も薄い。さっき驚かない方がおかしいと言ったが、逢原さんは特別だからな。
「それと逢原さん、ゴメンね。この前は多重人格者じゃないって嘘ついて」
僕はこの前、男に絡まれた時に嘘をついたことを謝罪する。あの時、僕は逢原さんに気味悪がわれるの恐れて、嘘をついてしまった。申し訳ない。
「……別にいい」
どうやら気にしていないらしい。良かった。僕はホッとする。
「この前って?」
「ああ、ちょっとな」
僕はこの間のことを、クロちゃんと初めて入れ替わった時のことを、端的に桜子に説明する。
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