飛び降り
「それじゃあ、帰りますか!」
そそくさと歩く桜子の後を追って、僕達はビルの外に出た。
結局、事件の真相は、もう一人の人格による、ある意味自作自演のものだった。
多分、もう一つの事件、不死身少女も不良達の姿を見た人が勘違いしたかなにかだろう。きっとそうに違いない。
「し、史郎っち! あれ見て!」
そんなことを考えていると、桜子が何やら慌てて、ビルの方を指差す。僕はその方向を見る。暗くてでよく分からないが、人影がそこにあった。
「な、謎の不死身少女! 本当にいたんだ!」
桜子が慌てふためく。首からぶら下げていたカメラのシャッターを、おぼつかない手つきで下ろす。闇夜にフラッシュが焚かれ、一瞬だけ人影がはっきりと見ることができた。慌てている桜子に対して僕は冷静だった。
「落ち着けって、多分不良がふざけているんだよ」
そう思っていた。きっとさっきの不良の仲間が度胸試しと称してビルの端で遊んでいるのだと、思っていた。
だが、その考えは間違いだった。
人影がビルから飛び降りたのだ。何の前振りもなく、突然に。
「お、落ちた!?」
「(史郎! メガネを外せ! 俺と変われ!)」
「(わ、分かった!)」
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