ノー勉で小テスト
『次の英文を和訳しなさい。』
『I eat out in restaurant.』
俺はまずそれぞれの英単語を日本語にすることから始めた。
えーっ……『I』は『私』だったよな。それと『in』は『中』だな。『空中』を『イン・ザ・スカイ』って言うし。
でもなんだ『restaurant』て?
れすたうらんて……れすたうらん……。っ! 分かった、レストランか!
俺は確信した。絶対、レストランで間違いない。
あー……『out』は『in』の反対だから『外』だよな。これは自信がある。
よし、ほとんどの単語の意味は分かったぞ。
「(問題は動詞の『eat』だな)」
動詞は英語だけじゃなく、言葉の中で一番重要だ。これを間違えたら、全てが水の泡だ。
確か先週、岡本が言ってた気がする。思い出せ、俺……自分の記憶を辿るんだ!
eat……イート……。
「(思い出した! 『eat』は食べるだ!)」
俺は頭の中で歓喜の声を上げる。
「(よし、あとは単語を並べて、日本語に訳すだけだ!)」
私、食べる、外、中、レストラン。
俺はシャーペンを走らせ、導き出された答えを解答欄に書く。
『私は、レストランの中で、ゲロをした。』
「(よし、完璧だ!)」
なんだ簡単じゃないか。まあ、英語なんて所詮言葉だしな。単語の意味さえ分かればこっちもんだ。
俺は意気揚々と次の問題に目を通す。
『次の日本語文を、英語に直しなさい。』
『覆水盆にかえらず。』
ここで頭の悪い馬鹿は、英語ではなくローマ字で書くだろう。だが残念だったな、俺はそんな幼稚なことはしない。
俺はスラスラと答えを書いた。
Mr.Fukumizu not go home in summer.
さすがに『盆』の英単語は分からなかった。
だが、お盆といえば夏だ。『夏に覆水さんは家に帰らない』って書いておけば、×ではない。悪くても△くらい貰えるはずだ。
「(あれ、普段不真面目なのにスラスラ解ける……俺って天才じゃね?)」
自分の才能に酔いしれながら、残りの問題もこの調子解いていった。
どうしても分からない問題はテキトーに書いたが、それでも俺は八割くらいの点数を確信した。
正直、テストを受けるより、下手に力を入れると芯どころかペン自体が折れちまいそうだったから、力を加減する方が難しかった。
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