第32話

「……」

 ――無言。これが一番キツイ。


 時は経ち、昼休み。あの後結局春香ちゃんと話せずに生徒会室へ……


 誰かこの無音空間どうにかしてくださいお願いします。


 *


「お弁当、どうぞ」

 やっと話してくれたけど……事務的すぎるのホント怖いです。もうそろそろいつもの調子に戻ってください。


「あの後、あの先輩と何話したんですか?」


「春香ちゃんとやましいことしてないか――とか、そういう話だよ」


「そういう?他には何かあったんですか?」


「後はなんで役員の仕事してるのか、とかの話だよ。あんまり僕たちについては聞かれなかったよ」


「そうですか……」

 ……納得してくれたかな?



「で、私とやましいことする気はないんですか?」


 そっちかああああああ!?

 いや、すっごいかわいいし?できるならめちゃめちゃに犯したいよ?でもね?でもね??


 と、思考(嗜好)がループする。というかショート回路に電流流した気分だ。

 こういうところほんっとあざといなぁ……


「あ、あ、ああ、え、えっとですね……その、春香ちゃんは春香ちゃんのままでいて欲しいというかなんというか……」

 The・しどろもどろ。

 元はと言えば春香ちゃんがかわいいのが悪いんだよ?と、頭のなかで責任転嫁する。


「ふふ……そんなに私のこと大事に思ってくれてるんですか?嬉しい♪」


 あの、追い打ちかけるのやめてください。



 ――少し楽しそうになった春香ちゃんとは対照的に、僕は冷や汗しか出なかった。

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