第31話
「まあ、茶でも飲んで落ち着いてくれ」
と、お茶を出される。個人的には紅茶の方が好きなんだよな……
「で、だ。さっき呼んだ理由は話したが、あんなものは建前だ」
「色々と君の話を聞いていると、 そんなことをする甲斐性もないと分かったからね」
――甲斐性なくてすいません。ハイ。
「まあ、私が生徒会の役員だから一回会いたかった――というのが大きいかな。茜に仕事を任せてない、珍しい奴だって聞いてたからね」
「そりゃどうも。自分の居場所は自分で守りたいんで」
「そうか――君は恐れているんだな。自分の居場所、いや何かを無くすことを」
――見透かされた、かな。
「いや、なんでもない。忘れてくれ」
「それよりだな、どうやって小河と仲良くなったんだ?あん?」
――俺が聞きたいよ。
「成り行き、ですよ。自然となったんです」
「ふーん……成り行き、ねぇ」
意味深そうに笑う先輩を見ながら、少し思いを馳せる――
うん、あんまり好かれる要素ないね……"フリ"だからね、仕方ないね。
「あまり深くは聞かないことにしておくよ。とりあえず、君たちの間にそういうことがない……というのが確認できたから良かったよ」
「これからも頑張れよ、藤原」
背中をバンバン、と叩きながら笑顔で言われる。ホントこの人苦手だ……
*
一方その頃、僕を連れて行かれた春香が超絶不機嫌になっていることを、僕は知る由もなかった――
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