第30話

 昨日の"アレ"はフラグでしかなく、平和に一日が始まる、なんてことはなかったのだ。悲しいなぁ……


 *


「おはようございます、センパイ♪」

 いつものように春香ちゃんを迎えに行く。


「ああ、おはよう」


「寝不足ですか?少し顔色が悪いですよ」

 顔を覗き込まれる。いつまでたってもこういうことは慣れないな……


「大丈夫、気にしないでくれ」

 ……君の言葉のせいで寝れなかったなんて、口が裂けても言えないんだよなぁ。


 学校の最寄駅に着く。最近は春香ちゃんと色々話せるようになったな――

 僕も彼女に変えられているのかな……


 と、そんなことを考えながらも、今日も今日とて平和だな……と思っていた時期が僕にもありました。ええ。


 *


「ちょっと良いかな?」

 学校前のクソ長い坂を登りきり、若干息が上がっているところを呼び止められる。少し殺意が沸くが仕方ない。


「な、なんですか?」


「風紀委員長の原田だ。最近校内で風紀を乱すやつが"生徒会"にいると聞いて待っていたんだ」

 すぅ、と息を吸って続ける。


「単刀直入に言う。君たちの関係が怪しい……というか不純に見える」


「だから藤原、風紀委員会室に来なさい」

 ――はい?


「なんでセンパイだけなんですか〜!」

 とキレる春香ちゃんをよそに、風紀委員会室へと連行される。


 ほんと、なんでこんなことになったんだか……

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