第28話

 ――どうなってるんだ、これは。


 ここは生徒会室。

 部活のはずの耀司が扉を開けて中へ入っていく。少し開いた扉の隙間から覗き見る……


 すると、なぜか耀司が春香ちゃんに詰め寄っていた。


「涼太がどう思っているかは知らないがああやって弄ぶのはやめてくれ」


「弄ぶ……とはどういう意味ですか?」


「白々しい言い方はやめろ。君は涼太に気があるような言動を最近するようになった」


「そうですね。知り合ったのが最近ですから」


「君のような……その、かわいい女の子なら男なんか選び放題だろ。こんなことを言うのもアレだが……わざわざ涼太を選ぶ理由がない」


「ふざけないでください」


「センパイは私にとって大切な人です」


「なぜそこまで涼太を持ち上げる?」


「今まで出会った人のなかで、ただ一人私と普通に話をしてくれたんです。それは私にとって初めてのことでした」

 続ける。


「今まで、男の人は私に好かれようとどうでもいい話を打算的にして来ました。それは私にとって苦痛以外の何物でもありませんでした」


「でも、センパイは違いました。私に好かれよう……というより、嫌われないようにしよう、自然でいよう、という気持ちで話しかけてくるのが伝わってきました。それは私にとって初めての体験でした」


「そしてあの目……私を見るときにすごい優しい目で見るんです。だから――」




「センパイを好きになったんです」

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