第24話
なぜ、こんなことになってしまったのだろう……
そんなことを風呂の中で考える。
春、二年生になった時はまさか女の子と……それもとびきりの美少女と一緒に登校することになるとは思ってもみなかった。
――まあ、最初に目標にしてた"目立たないように生きる"っていう目標は二度と達成されることはなくなったのだが……
「ま、いっか」
明日は迎えに行かないといけないし早く寝るか……
*
「遅いですよ、センパイ」
最寄りの駅前では、既に彼女が待っていた。
――もちろん、道行く人が振り向いていた。お約束ですネ。
「ごめんごめん、髭剃ってたら遅くなっちまった」
「電気シェーバー買いましょう。良ければ今週末にでも」
……そんなに僕に早く来て欲しいのか。
「こうやって見られるのは慣れててもやっぱりちょっと恥ずかしいんですよ」
耳元で言われる。少し背伸びしている姿が愛らしい……
「了解。時間空けとくよ」
とほどほどに会話しながら改札を抜ける。
おいそこ、釣り合ってないとか貢がされてるとか全部聞こえてるぞー。
*
「一体お前に何があったんだよ」
耀司がすごい剣幕で迫る。マジで怖いからやめてくれ。
「なんの話だ?」
少しとぼける。まあ、なんの話かは目星がついているが――
「今朝、あの一年の美少女と一緒に登校してきたって聞いたぞ。というか全校中で噂だ」
ああ、だからクラスメイトの視線がやけに刺さってる気がしたのか。
まあ、想定内の反応だが――
「で、お前はなんで一緒に登校してきたんだよ」
「いや、なんてことはないよ。彼女と――小河さんと色々あってね、生徒会のこととか」
「本当にそれだけか?親友に嘘つくなよ?」
「ああ、それだけだ」
――すまん耀司。あんまり本当のことは言いたくないんだ。
「分かったよ。でも気をつけろよ?学内で一番可愛い女の子と噂が立つんだ。何があっても不思議じゃない」
「刺されるのだけは嫌だなぁ……せめてひと思いに殺して欲しい」
「いや、流石に殺しには来ないだろうけど……俺もできるだけお前に何かないように協力はするけど、流石に全部は無理だからな」
「わざわざありがと」
本当にこういう所がすごい。他人のために見返りを求めずに何かする、というのはみんなが出来ることではない――
とりあえずここは耀司に甘えることとしよう……
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