第39話忠告

 桜は、昔、演劇教室にいた仲間の公演に遊びにきていました。


 あの、ダンスをする人達です。


 皆でダンスユニットを結成したようで、桜は、お手伝いという名目でしたが、殆ど何もできていませんでした。


「皆、私に市民劇に行くようにって言うのよ」


 桜は、仲間に愚痴をここぞとばかりにぶちまけました。


 話を聞いていたダンスユニットの代表格の子が、こう言います。


「皆がそう言うってことは、桜ちゃん、あなたは市民劇に行かなくてはならないわ」


 桜は耳を疑いました。やっぱり私は悪者なのかしら?


「このままだと、あなたは表現する場所を失う」


 強い、言葉でした。


 ダンスユニットになった仲間達には、桜はもう入って行けません。


 でも、ダンスの代わりに自分は演劇に専念してきたのに。


 どうして。


 桜は、何もかもを信じられなくなりそうでした。

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