第36話再び
半年後、桜はまた演劇教室に戻っていました。
家にこもり、何もない生活。時々見るインターネットが生き甲斐。
パソコンに向かうと、どうしても演劇について調べてしまいます。
前回、桜が出られなかった劇の評価が高いことを知ると、心が濁流に巻き込まれ、いてもたってもいられなくなりました。
「桜さん、演劇教室に戻るのであればあなたに約束して欲しいことがあります」
教室の、経営者です。
「あなたは今、精神状態が不安定だと思います。だから何も問題を起こさないで欲しいのです」
「劇をしたいです」
桜は約束をしました。
演劇教室はまた新たに劇団へ所属した人以外は、皆、新顔でした。
桜には劇団員として活動してきた人達が鼻を高くしているような気がします。
我慢するしかない、と、桜は思いました。
もう、私の居場所なんて、他にないのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます