第21話夢

 布団で寝ることに飽きてきた桜は、パソコンでインターネットを見るようになりました。


 最初はアニメばかりを見ていました。


 どの作品も面白くて目が痛くなるほど、一日中見ました。


 部屋にこもりきりの桜を、お母さんは働きなさいと言うこともなく見守り、毎日食事を用意してくれます。桜にとって唯一の心の支えです。


 数あるインターネット映像の中でも、桜を強く引きつけたのは、声優さんがアニメに命を吹き込む姿でした。いわゆる、アフレコです。


 そして、舞台映像。


 私も、こんなことができたらいいなあ。でも私には無理、美人でも人気者でもないもの。


 羨ましいな。ごろごろ。


 そんなふうにしてごろごろ横になってばかりいると、声優さんの姿ばかりが頭に思い浮かびます。


 ダメダメ、これからのことをしっかり考えなくては、ごろごろ。


 そしてそれは、突然に思い浮かんだアイディアでした。


 そうか、ごろごろしているだけなら、やればいいんだ!


 桜は町にある声優学校のホームページを開きました。


 声にも容姿にも自信ない。けれど、このままでいるよりはずっといい。


 桜は声優学校に行く為、新しい仕事を探し始めました。

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