第10話受験

 春になりました。いよいよ桜は受験生です。


 それなのに勉強には置いていかれる一方です。暗記科目の教科書は隅々まで覚えようと、赤いマーカーで線を引き、字が見えなくなりそうでした。


 国語は読書量を増やすと成績が上がりました。


 問題は、数学でした。


 一問一日。決してサボっているのではありません。これが、桜の実力なのです。


 塾で先生に説明を受けて、何時間も考えて、それでもよくわからない時がありました。


 三年生になってからの数学は殆どわからないので、一年生と二年生の問題ばかり解いていました。



 受験本番、桜は数学以外の問題の殆どを埋めていきます。


 数学は、なるようになれ、開き直っています。


 結果は、合格。


 数学はかろうじて二桁の点数、理科はあと二点で満点でした。

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