第二章

 ――別人みたい。


 実際には見たことがないけれど、ずっと長く隔離されている病人なんかがこんな目をしているのではないかと思えてしまった。


 簡潔に言い表すなら、生気がない。


「天音……?」


「電気は、点けないで。明るいとなんだか落ち着かないの」


 本当に彼女の口から漏れているのかと疑いたくなるほどの、小さな声。


「あ……うん。ごめん」


 どうにかそれだけを答えて、私は躊躇いながらも天音の座るベッドへと近づいた。


「……椅子、借りるね?」


 側にあった机をチラリと見て、椅子を引いて腰掛ける。


 友人との距離は一メートルもない。


「あ、そうだこれ……。天音の好きなチーズケーキ。あと、飲み物も買ってきたんだ。最近あんまり食べてないって聞いたから心配してたんだよ」


 言いながら、天音の横に買ってきたケーキの箱とジュースを置く。


 だけど天音はそんなものには見向きもせずに、ジッと俯き下を凝視するだけだった。

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