第二章

 しかも、夏休み中にも適当な理由で呼び出して何かしようと計画していたらしく、それが台無しになってしまうのではないかと、そんなことを心配している始末だった。


<夏休み中にさ、どうにかして外連れ出してよ。あんたから頼めば案外素直に出てくるかもしんないじゃん>


 そして、こんなメッセージを受信したのが昨夜のことだ。


 ポケットからスマホを取り出し、変わるはずのない文面を表示させて肩を重くする。


 精神的に弱って部屋から出ることすら困難になっている相手を無理に連れ出した挙げ句、更に追い込むような真似をすれば果たしてどうなってしまうのか。


 それこそもう、会話をすることすらなくなってしまいそうで考えると胸が痛くなる。


 ――帰り、家に寄ってみようかな。


 お見舞いで訪問して、突き返されることはないだろう。


 何かお菓子くらいは持っていこうか。でも、食欲がないようなら迷惑かもしれないし、ジュースとか摂取しやすいものの方が喜ばれるかもしれない。

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