第二章
ひょいと肩を竦めてコーヒーを飲み干すと、お母さんはキッチンへ戻っていってしまった。
その姿をぼんやりと眺めながら、私は考える。
噂になった墓地は、存在する。
あの積まれていた小石の供養塔のことも踏まえると、赤ん坊を捨てていた事件も本当にあったのかもしれない。
――何だろう。すごく胸騒ぎがする。
本能的に気持ちがざわめくような変な感覚が胸の奥から背中へと駆け抜け、ゾワリとする気分を味わう。
赤ん坊の霊が出るとされた濁った池。
そこに積まれた供養塔と、それを飲み込まされた天音。
池の水気を吸った小石を無理矢理口に入れられていた姿を思い出し、つい眉を顰めてしまう。
「どうした珠美、そんな深刻な顔して」
怪訝そうにこちらを窺うお父さん。
「ううん、別に。ちょっと考え事があって」
曖昧に答え、コーヒーに口をつけた。
「何だぁ? まさか、彼氏でもできたんじゃないだろうな」
「そんなんじゃないよ」
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