第二章

 ぎょっとして私が言うと、お母さんは神妙な顔つきで首肯し話を続ける。


「母親は捕まったらしいけど、子供ができる度にそこへ捨ててたみたい。一番新しい死体は腐乱した状態で発見されたって言ってたかな。かなり酷い有り様だったって。……それから暫くして、その池の側にあるお墓にお参りへ行った人がおかしな体験をするようになったんだって」


 そこまで言って、お母さんは一度コーヒーに口を付ける。私もつられるようにして口内を潤した。


「おかしな体験って何だ? まさか幽霊でも出るようになったのか?」


 焦らされているように感じたか、いつの間にか真剣になって聞いていたお父さんが話の先を促す。


「うん、そんなとこかしら。池の方から赤ん坊の泣き声が聞こえてきたり、水の中から何か小さい肉塊みたいなのが這い出て近づいてくるのを見て逃げてきたとか、そういう話が頻繁に出てたみたい。あたしも実際に行ったことがないからあれだけど、そこってかなり鬱蒼とした場所らしくて昼間でも薄暗いんだって。だから余計におかしな噂が広まりやすかったのかも」

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