第二章

 お母さんの腕を掴みおねだりするように詰め寄ると、仕方ないと言いたげにため息をつかれた。


「ああもう、わかったから離しなさい。まったく、どこであんな話の情報仕入れてきたんだか……」


 呆れたようにエプロンを外し、冷蔵庫からアイスコーヒーを取出しコップに注ぐと私に差し出した。


 さらに自分の分を注ぎ、お母さんはお父さんの隣へ移動して座り込む。


 私も後に続き、ソファーに座る。


「まぁ、お母さんもそれほど詳しいわけじゃないし、どこまでが本当かわからないわよ?」


 前置きの一言に、私はこくりと頷く。


「確か、いつだったかな。今からだと六十年か七十年くらい前になるのかしら。その頃にね、ちょっとした事件がこの町で起きたんだって。あの山の奥に古いお墓があってさらにその奥かな、小さな池があるらしいんだけど、そこから生まれて間もない赤ちゃんの死体が三体見つかるって事件」


「三体……? そんなに?」

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