第二章
「言い伝え? そんなのあったかなぁ」
眉を顰め、天井を仰ぐお父さん。
「うーん、特に何も聞いた覚えがないなぁ。そもそも、父さんあの山に行ったことすらないんだ。確か、春には桜が咲いて綺麗だってちょっとだけ有名なんだよな? いずれ一度くらい見に行こうかな」
こちらの期待に応えることなくお気楽な返答を口にして、お父さんはテーブルに置かれた湯呑へ手を伸ばす。
仕方ないと肩を落とし、私はお母さんへと振り返った。
「ねぇ、お母さんは? あの山のこと何か知らない?」
お皿を拭いていたお母さんが、僅かに顎を上げこっちを見る。
そして、どこか困ったように笑ってみせた。
「昔、近所のおじさんが聞かせてくれた話なら知ってるけど、あんまり気分の良い内容じゃないわよ。本当かどうかもわからないし」
「え? 知ってるの?」
驚いてつい立ち上がると、私はお母さんの元へと歩み寄っていく。
「どんな話? 教えてよ」
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